「カードローンを延滞したらどうなるの?」
「1日くらい延滞しても特に問題はないよね?」
本記事ではカードローンの延滞について、以下をメインに解説していきます。
- カードローンを延滞すると何が起こるか
- カードローンの延滞を防ぐコツ
- 延滞を解消しない場合の流れ
結論を先にいうと、カードローンを延滞しても何も良いことはありません。
延滞をしないコツについても紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事の監修者

おんだ まさゆき
恩田 雅之
1959年 東京生まれ
専修大経営学部卒業後、16年間パソコン業界の営業の職業に携わる。
2004年3月にCFP®資格を取得後同年6月、札幌にて「オンダFP事務所」を開業。
初心者向け資産運用に関するセミナーと投資信託など資産運用を中心としたコラムの執筆やローン関連を中心に記事の監修などを中心に活動中。
カードローンでの延滞とは?

カードローンの延滞とは、以下のように返済日に最低返済額を支払えないことです。
(最低返済額…毎月の返済日に必ず支払わなければいけない金額のこと)
- 返済日に入金するのを忘れた
- 返済日に残高不足で口座振替されなかった
返済日が毎月8日の場合、9日に返済した場合は1日延滞したことになります。
(返済日が土日祝日の場合は返済日は翌営業日になるのが一般的)
また、延滞には「滞納・返済遅延・返済遅れ」とさまざまな呼び方があります。
他のサイトでは、延滞を「61日以上または3ヶ月以上の遅れ」と定義しているところもありますが、消費者金融のアコムは、以下のように「延滞=返済遅れ」と定義しているようです。
Q 返済が遅れてしまうとどうなるんですか?
A ご延滞時は、担当者から個人名でご連絡させていただく場合がございます。
引用:アコム公式サイト「よくあるご質問」
本記事ではアコムの認識にならって、1日の返済遅れでも「延滞」として紹介していきます。
カードローンの返済を延滞するデメリットとは?
カードローンの返済を延滞すると下記のようなデメリット・リスクが生じる可能性があります。
- 通常の利息に遅延利息が追加される
- 信用を著しく損なってしまう
- 返済専用になる可能性がある
- 利用残高の全額返済を求められることもある
- 金融事故になるかもしれない
ここでは、上記のデメリットについて細かく解説していきます。
遅延損害金が発生する

遅延損害金(遅延利息・延滞利息)とは、延滞に対する罰金のようなものです。
レンタルCD・DVDなどの延滞料金を考えてみれば、分かりやすいでしょう。
遅延損害金は、通常の利息とは別に発生し、通常の利息に追加で支払う必要があります。
計算方法は利息と同様に「借り入れ残高 × 遅延利率 ÷ 365日 × 延滞日数」。
遅延損害金が発生すると、通常の利息以上の金銭的負担がかかるので要注意です。
30万円を借りていて、遅延損害金の利率が18.0%の場合の遅延損害金は以下の通りです。
- 1日の延滞…遅延損害金は約147円
- 7日の延滞…遅延損害金は約1,035円
- 10日の延滞…遅延損害金は約1,470円
- 20日の延滞…遅延損害金は約2,958円
- 30日の延滞…遅延損害金は約4,438円
無利息サービスや低金利カードローンを利用している場合、遅延損害金が生じてしまうとメリットがなくなってしまいます。
なお遅延利率は消費者金融は年20.0%を適用しているところが多いですが、銀行は各社で異なります。
各カードローン会社の延滞利率の例は、下記の通りです。
消費者金融の遅延利率の例
アイフル | 年20.0% |
---|---|
アコム | 年20.0% |
プロミス | 年20.0% |
レイクALSA | 年20.0% |
SMBCモビット | 年20.0% |
銀行カードローンの遅延利率の例
みずほ銀行カードローン | 年19.9% |
---|---|
オリックス銀行カードローン | 適用金利+年2.1% |
イオン銀行カードローン | 年14.5% |
スルガ銀行スーパーローン | 年19.5% |
東京スター銀行カードローン | 適用金利と同じ |
信用が大きく低下する

返済日は「この日までに返す」とカードローン会社と約束した日です。
事前に決定したのにも関わらず延滞するということは、約束を破ることになり、信用低下は避けられません。
信用情報に影響はないですが、カードローン会社からはリスクがあると判断されてしまいます。
カードローン会社からの信用が低下すると下記のようなデメリットが生じる可能性があります。
- 利用限度額を増額できなくなる
- 利用限度額が減額する
- 利用停止(追加融資NG)になる
増額とは利用中に増額審査をクリアして、利用限度額を引き上げてもらうことです。
利用限度額の増額審査に通過するためには、カードローン会社から信用を得ている必要があります。
そのため1日でも延滞すると、増額される可能性はかなり低くなるといえるでしょう。
また、「もう借りないでほしい」と思われれば、利用限度額が減額になったり借り入れができずに返済専用になるでしょう。
いずれにせよ利用範囲が狭くなり、延滞以前よりカードローンとして使い勝手が悪くなってしまいます。
家族にカードローンの利用がバレる可能性がある
カードローンの返済を延滞すると、借り入れをしている会社から連絡がある可能性があります。
そのため、下記のようなパターンだと家族にカードローンの利用がバレてしまうかもしれません。
- 固定電話への連絡
- 自宅に届く書類
基本的にカードローン会社からの電話は、申し込みで申告した携帯電話にかかってきます。
ただし固定電話の番号を申告した方は、家の電話にかかってくるでの注意してください。
延滞が長引くと、カードローン会社からの電話による返済の催促があります。
催促に応じないと自宅に書類が届くので、家族にバレる可能性はさらに高くなるでしょう。
家族にバレるとトラブルや不仲の原因になる場合、延滞した分の金額の返済が必須です。
数日の延滞でも金融事故になることもある
数日の延滞なら大丈夫だと考える方も多いですが、毎月数日の延滞が積み重なると金融事故として扱われる可能性があります。
カードローンは信用第一です。
頻繁に延滞する利用者は信用できないとみなされます。
以下はあくまで例ですが、このように毎月延滞してしまっている場合は注意しましょう。
- 1月の返済日:5日延滞
- 2月の返済日:3日延滞
- 3月の返済日:7日延滞
- 4月の返済日:10日延滞
- 5月の返済日:7日延滞
カードローン会社によっては契約後であっても返済日の変更を行うことが可能です。
今の返済日での返済が厳しいのであれば、返済日の変更を検討しましょう。
数日の延滞では信用情報にキズはつかない

信用情報とは、過去のローン・クレジットの利用履歴のことです。
1日から数日程度の延滞では、信用情報に金融事故の記録はつきません。
(先述した通り、毎月のように延滞していた場合を除く)
ただし61日以上または3ヶ月以上の延滞は、必ず金融事故になると思ってください。
信用情報は「信用情報機関」といわれる組織が登録・管理。
日本には主に以下のような信用情報機関があり、金融事故になる基準は異なります。
(※表は横スクロールできます。)
信用情報機関 | ホームページ |
CIC(割賦販売法・賃金業法指定信用情報機関) | https://www.cic.co.jp/ |
JICC(日本信用情報機構) | https://www.jicc.co.jp/ |
JBA(全国銀行個人信用情報センター) | https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/ |
この中でCICとJICCは、61日以上または3ヶ月以上の延滞は記録されると公言しています。
カードローン会社は、複数の信用情報機関に加盟しているのが一般的です。
また信用情報機関は相互に交流しており、自社の信用情報を交換・利用しています。
長期延滞した金融事故の記録は、カードローン会社に隠せないと思っておきましょう。
金融事故が記録されている間はローン審査は不利に働く

金融事故が記録されている間は、ほとんどのカードローンの審査を通過できません。
カードローンに限らず、ローンの審査では必ず信用情報を確認されます。
そのため以下のように判断されて、あらゆる審査をクリアできなくなるので要注意です。
- 過去に金融事故の記録 ⇒ 返済に問題があった
- 融資しても返済されないリスクが高い
- ならば最初から融資しない ⇒ 審査落ち
長期延滞による金融事故が信用情報機関に登録される期間は大体5年です。
つまり、契約終了から5年もローン審査に不利になるということです。
銀行カードローンの延滞は1日でも記録される
すべての銀行カードローンは、基本的にJBAに加盟しています。
JBAでは1日の延滞も記録されるため、銀行カードローンを利用している方は要注意です。
ただし、このときの延滞の記録は、金融事故の記録とはいえないんですね。
そのため、延滞記録があるからといって審査落ちになるとは限りません。
しかし、別の銀行カードローンに申し込んだ場合は、審査で不利に働く可能性はあります。
銀行カードローンを利用している方はなるべく、延滞しないようにしましょう。
下記の記事では、カードローンの信用情報について細かく解説しています。
ご自身の信用情報の確認方法や、信用情報に傷をつけない方法についても紹介しているので、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
カードローンを延滞しないためのコツ5つ
ここでは、カードローンの返済に遅れないためのコツを紹介します。
- 延滞が確定したらカードローン会社に連絡を入れる
- 自動引き落としで約定返済をする
- 給料日直後に返済日を設定する
- メールで返済日前に知らせてもらう
- 追加の借り入れはなるべくしない
延滞確定後はカードローン会社に連絡する
延滞がほぼ決まっているならば、延滞する前にカードローン会社に連絡してください。
事前に連絡を入れておくことで、以下のような効果が期待できるかもしれません。
- 利息の返済で済む場合がある
- 連絡なしの延滞に比べて信頼低下を抑えられる
毎月の最低返済額は「元金の一部+利息」で構成されています。
事前にカードローン会社に連絡すれば、利息だけの支払いでOKの場合もあります。
また「〇日までに支払います」と伝えると、その日までは催促されないでしょう。
指定した期日に支払うことで、延滞によるマイナスイメージを和らげられます。
ただし自身で指定した期日をまた延滞するとなると、信用は大幅に低下するので要注意です。
約定返済は口座振替にする

約定返済(毎月の最低返済額の支払い)は、口座振替がオススメです。
口座振替であれば返済日を忘れていても、自動的に返済を済ませてくれます。
ただし口座振替の返済には、注意しておくべき点が2つあります。
- 残高不足だと自動引き落としができない
- 返済日が固定されている場合がある
最低返済額以上の残高がなければ、延滞になってしまうので注意しましょう。
預金が少ない方は特に、返済日が近くなったら残高を確認しておくことが大切です。
また、他の返済方法の返済日が選択自由であっても、口座振替の場合は「毎月5日」など返済日が自由に変更できないこともあるので注意しましょう。
返済日を給料日のすぐ後に設定する

返済日が選べるカードローンであれば、返済日は給料日の直後に設定すれば返済を延滞する可能性が減ります。
給料日の直後であれば、お金に余裕があるときに返済日が当たりやすいです。
たとえばプロミスの返済日は、毎月5日・毎月15日・毎月25日・月末から選べます。
給料日が毎月25日のプロミスの利用者は、返済日は月末に設定すると良いでしょう。
ただし、返済日を給料日と同日にするのは、あまりオススメできません。
給料の振り込み後の引き落としであれば問題ありませんが、振り込み前の引き落としだと、再引き落としがないカードローンでは延滞となってしまいます。
システム上の問題による延滞もないように、返済日は給料日の翌日以降に設定しましょう。
返済日お知らせメールを活用する
返済日お知らせメールとは、返済日が近いことを知らせてくれるメールサービスのこと。
多くのカードローン会社には用意されており、メールサービスは無料で利用できます。
返済日お知らせメールを活用すれば、以下のような延滞につながる事態を防げるでしょう。
- 返済日のうっかり忘れ
- 口座振替の残高不足
忘れっぽい方や口座残高がギリギリになりやすい方は、ぜひお知らせメールを利用してみてください。
一度借りたら追加融資は受けない
延滞しやすい人の特徴として、後先考えずに追加融資を受ける人が挙げられます。
返済しやすい状況をつくるためにも、無計画に追加融資を受けるのは避けましょう。
返済状況にもよりますが、追加借り入れで最低返済額が上がる可能性もあります。
最低返済額が上がれば、支払えずに延滞する可能性も高くなってしまうでしょう。
ムダな追加融資を受けないために、以下のようなことを心がけることが大切です。
- 毎月の収支を見直す
- 完済まで浪費や高額な買い物を我慢する
- お金に余裕があっても繰り上げ返済を優先する
カードローンは、無理なく利用するからこそ豊かにしてくれるものです。
計画的に利用しないと、生活を脅かすものになりかねません。
無計画な追加融資は、延滞よりも悪い事態になるかもしれません。
そういった場合、約定返済だけでなく繰り上げ返済を活用することがオススメです。
繰り上げ返済について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
カードローンの延滞を放置した場合の流れ

延滞をずっと放置していた場合、以下のような流れで延滞に対する対処が進んでいきます。
「カードローン会社からの催促」いこうの期間は個人差がありますが、61日以上または3ヶ月以上は確実に金融事故となります。
遅延損害金の発生 | 延滞当日から |
---|---|
カードローン会社からの催促 | 延滞から1日~5日が目安 |
自宅に督促状が届く | 延滞から1ヶ月~が目安 |
自宅に催告書が届く | 延滞から1ヶ月~2ヶ月が目安 |
一括請求・強制解約・代位弁済 | 延滞から2ヶ月~3ヶ月が目安 |
信用情報に金融事故として 記録される | 延滞から2ヶ月~3ヶ月が目安 |
裁判所から通知が届く | 延滞から3ヶ月~が目安 |
強制執行される | 延滞から3ヶ月~が目安 |
遅延損害金の発生(延滞当日~)
解説してきたように、カードローンの返済が1日でも遅れた場合、遅延損害金が発生します。
延滞した瞬間から時間を追うごとに、信用はどんどん低下していくので注意してください。
この時点でとるべき手段は2つあります。
- 金銭的余裕がある→すぐに返済する
- 金銭的余裕がない→延滞前にカードローン会社に連絡する
延滞しても翌日には返済できるのであれば、ダメージは最小限で済むはずです。
金銭的余裕がなかったとしても、延滞前にカードローン会社に連絡は入れておきましょう。
カードローンは信用取引なので、問題が起こったら誠実に対応することが大切です。
カードローン会社からの催促(目安:1~5日)
事前に連絡せずに延滞すると、大体1週間以内には以下の方法で連絡があるでしょう。
- メール
- ショートメッセージ
- 携帯電話への連絡
連絡に応じてすぐに返済できれば「うっかり忘れたのかな?」程度で済むかもしれません。
逆にいうと上記の連絡を無視すれば、カードローン会社に貸し倒れのリスクを懸念される可能性が高いです。
自宅に督促状が届く(目安:1ヶ月~)
督促状とは、カードローン会社が返済を求める際に利用者に送付する書類のこと。
普通郵便で届くので、家族など同居人にバレる可能性があるので要注意です。
延滞している金額を支払えないならば、早い段階で債務整理をしてください。
具体的には、以下のような債務整理を検討することになるでしょう。
- 将来の利息をカットして分割払いする「任意整理」
- 借金の大幅減額をする「個人再生」
- 借金の返済を免責してもらう「自己破産」
債務整理をすれば、給与の差し押さえなど強制執行を防げます。
将来のローン審査では不利になりますが、勤務先にバレる可能性は低くなるはずです。
債務整理を検討するタイミングはいつ?
債務整理は「差し押さえ通知」が届いたあたりがタイムリミットになります。
通知が届いても対応が遅いと、給与の差し押さえは避けられないと思ってください。
しかし通常は督促状が届いた時点で、返済を続けていけるかどうかわかるはずです。
この時点でなるべく、以下のいずれかの選択を決断するようにしましょう。
- 金策をして返済を目指す
- 完済をあきらめて債務整理をする
債務整理は種類が複数あり、何が合うのかは個人の借り入れ状況などによって異なります。
カードローン会社の督促状が届いた時点で、弁護士などに相談するのがおすすめです。
勤務先に差し押さえがバレるとどうなる?
「延滞を解消しない・債務整理を検討しない」状態は、差し押さえに一直線です。
しかし、差し押さえによって返済を延滞していることが勤務先にバレてしまうと、以下のようなリスクがあります。
- 勤務先の人の中で噂になる可能性がある
- 半強制的に辞職しなければならなくなるかもしれない
- 辞職したことで離婚・別居などのリスクが上がる
自宅に催告書が届く(目安:1~2ヶ月)
催告書は督促状と同じように、返済を求める書類です。
しかし督促状のように普通郵便ではなく、内容証明郵便で届きます。
郵便局の公式サイトが説明する内容証明制度は以下の通りです。
内容証明とは
いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかということを、差出人が作成した謄本によって当社が証明する制度です。
※当社が証明するものは内容文書の存在であり、文書の内容が真実であるかどうかを証明するものではありません。
※内容文書とは、受取人へ送達する文書をいいます。
謄本とは、内容文書を謄写した書面をいい、差出人および差出郵便局において保管するものです。引用元:郵便局「内容証明」
内容証明郵便は、カードローン会社から利用者への差出を郵便局が証明します。
つまり利用者は「そんな書類は届いていない」という言い訳をすることができません。
催告書は最終通告のような役割であるため、無視すれば法的措置がとられるでしょう。
一括請求・強制解約・代位弁済(目安:2~3ヶ月)
延滞期間が2ヶ月以上になると、カードローン会社は以下のような措置をとります。
- 一括請求…借り入れ残高の全額のすみやかな返済請求のこと
- 強制解約…規約にのっとった一方的な解約のこと
- 代位弁済…延滞したお金を保証会社が肩代わりすること
これらは法的措置をとる前段階だと思っておいてください。
仮にお金が入って返済したいと思っても、強制解約されれば手遅れとなります。
また、強制解約されたカードローン会社は、以後は二度と利用できない可能性が高いです。
信用情報に金融事故として記録(目安:2~3ヶ月)
⑤の時点になると「61日以上または3ヶ月以上延滞」に該当するでしょう。
CICやJICCなどが管理する信用情報には、確実に金融事故として記録されます。
長期延滞についての金融事故記録の登録期間は以下の通り。
- CIC…契約期間中および契約終了後5年以内
- JICC…契約期間中および契約終了後5年以内
(ただし2019年9月30日以前の契約は当該事実の発生日から1年を超えない期間)
ほぼすべての消費者金融・銀行カードローンは、CICかJICCいずれかに加盟しています。
つまり、強制解約されてから5年間は、あらゆるローン審査は大きく不利になります。
ただし、債務整理の中でもJBAでは自己破産・個人再生の記録は登録期間が10年となっています。
自己破産・個人再生をした場合、新規で申し込みをしたとしても10年間はローン審査に落ちるでしょう。
裁判所から通知が届く(目安:3ヶ月~)
法的措置をとられた場合は、今度は裁判所から以下のような書類が特別送達で届きます。
- 支払督促…書類審査のみで実施する迅速な手続きの通知
- 訴状…民事訴訟や少額訴訟(60万円以下の訴訟)を提起する書類
支払督促が届いた場合は、異議がある債務者は2週間以内に申し立てなければいけません。
「申し立てがない=債権者の請求が通る」となり、強制執行に進みます。
訴状が届いた場合は、債権者との話し合いや裁判所への出廷が必要になります。
多くのケースでは、残債務の分割払いでの和解が成立するでしょう。
裁判所からの通知を無視したら給料や不動産などが差し押さえられるので要注意です。
内容に異議がある場合は、弁護士や司法書士に相談してみてください。
強制執行される(目安:3ヶ月~)
強制執行とは、裁判所が強制的に財産を取り立てる手続きのことです。
強制執行では、給料が差し押さえられることになります。
裁判所の公式サイトでは、差し押さえられる給料の範囲を以下のように説明しています。
給料の差押えについては,法律で,給料(税金等を控除した残額)の4分の1までが,差押えの対象になると定められています。
仮に,「相手方はあなたに対し,100万円を支払え」という内容の判決があるのに,相手方が払ってくれないため,相手方の給料を差し押さえたとします。
このとき,税金等を控除した後の給料の金額が24万円の場合は,1か月に差し押さえができる金額は6万円となり,これが100万円に満つるまで,毎月,相手方(債務者)に給料を支払っている会社等(この会社等を「第三債務者」といいます。)から,債権者(あなた)に支払われることになります。(税金等を控除した後の給料の額が44万円を超える場合は,以下の「引用元:裁判所|差押可能な給料の範囲」の例2を参照してください。)
引用元:裁判所「差押可能な給料の範囲」
つまり、借り入れ残高が100万円だった場合、強制執行では以下のような流れになります。
- 100万円の差し押さえる判決が出る
- 本人の手取り月収は24万円
→4分の1である6万円が差し押さえになる - 100万円に達するまで毎月差し押さえになる
→17ヶ月(1年5か月)かかる
借り入れ残高や給料の金額によっては、差し押さえは長期におよぶこととなります。
差し押さえが続く間は手取りの給料が減り、新たな借り入れを望むこともできません。
生活が大きく制限されることになるので、早い段階から債務整理を検討することをおすすめします。
なお不動産が差し押さえられる場合もありますが、カードローンでは事例が少ないです。
(多くのケースは数百万円・数千万円という借り入れではないため)
カードローンの延滞について3つのQ&A
ここでは、カードローンの延滞についてよくある質問とその答えをご紹介します。
延滞し続けると怖い人が家に来るの?
過度な取り立ては法律で禁じられているため延滞しても怖い人は取り立てに来ることはありません。
貸金業法第21条では、取り立て行為について規定されています。
要約すると、利用者の生活を脅かすような行動・言動は禁止されているんですね。
ただし闇金を利用すると、脅迫的・威圧的な取り立てがあるかもしれないので要注意です。
(そもそも異常な高金利で人生を破滅させるおそれがある闇金を利用するのは厳禁)
闇金が取り立てに来る事態は、自分だけでなく家族や近隣にも迷惑となります。
闇金の延滞を解消できないのであれば、すみやかに弁護士などに相談してください。
ブラックリスト入りすると何か不都合はあるの?
モニタリングに引っかかって利用停止になることもあります。
モニタリング(途上与信)とは、利用中にカードローン会社が実施する審査のことです。
申し込み時に実施する審査は、スクリーニング(初期与信)と呼ばれるんですね。
モニタリングは、利用中に返済能力が下がっていないかを確認する目的で実施されます。
他社での金融事故が発覚すると、別のカードローンも利用範囲が狭まる可能性が高いです。
高確率で利用限度額を引き下げられたり、追加融資を受けられなくなったりするでしょう。
長期延滞中にお金を借りられることはあるの?
長期延滞をしている中での借り入れは難しくリスクも大きいです。
長期延滞しているということは、差し押さえや債務整理のリスクがあるということ。
返済能力も低い状態なので、ブラックOKの街金でも借り入れは厳しいです。
仮にお金を借りられたとしても、高確率で多重債務に陥ってしまうでしょう。
多重債務に陥るのであれば、一刻も早く債務整理したほうが状況は改善するでしょう。
カードローンの延滞はデメリットばかり!なるべくすぐに対応しよう
カードローンの延滞について、解説してきたことをまとめてみました。
- 延滞とは返済日に最低返済額が支払えないこと
- 大きなデメリットは遅延損害金と信用低下
- 長期延滞は金融事故となり以後のローン審査に悪影響
- 延滞が確定したらカードローン会社への連絡が大切
- 延滞しないコツは口座振替(返済日は給料日の直後)にすること
- 延滞を解消しない限りは差し押さえに一直線
- 早めに債務整理をしておけば職場にはバレない可能性が高い
カードローンを延滞することは、金銭的負担だけでは済まないということがお分かりいただけたかと思います。
客観的な信用が大幅に低下して、将来にも数年にわたってマイナスな影響が及びます。
もしも延滞してしまったときは、とにかく一刻も早く解消することが大切です。
解消ができない場合は、最悪な事態に至る前に早めに弁護士や司法書士に相談しましょう。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
また、下記の記事ではおすすめのカードローン10社を比較し、ランキング形式で紹介しています。
ぜひ、こちらもあわせてご覧ください。