カードローンなどのローンを組むとなると、必ず金利が発生します。
金利は返済する金額にも大きくかかわるため、お金を借りる際には最も重要な要素の1つといっても過言ではありません。
そのため、金利について知識がないと知らぬ間に損をしてしまう可能性があります。
そこで、今回はカードローンの金利について、以下の内容を解説していきます。
- カードローンの金利とは?利息や利子、実質年利との違いは?
- カードローンを借り入れる際に適用される金利が決まる基準について
- カードローンの金利が他のローンよりも高い理由について
- カードローンの金利の相場を消費者金融と銀行カードローンに分けて紹介
- カードローンの利息額の計算方法を紹介
- 5万円/30万円/100万円での返済シミュレーション紹介
- カードローンの返済を延滞した際の延滞損害金について
金利の仕組みをカードローンの利用前に知っておくことができれば、無駄な返済額を抑えることができるかもしれません。
ぜひ、最後までご覧ください。
カードローンの金利とは?

カードローンの商品紹介を閲覧していると、金利についてだけでも様々な用語が並んでいることが多々あります。
普段、ローンやクレジットの利用をしていない方であれば、馴染みのない単語がほとんどです。
そこで、まず最初に金利に関する単語について解説していきます。
金利・利息・利子との違い
金利 | お金を借り入れた側が、 借入金に上乗せして支払う金額の割合 |
利息 | お金を貸した側が、 貸付金に上乗せして受け取るお金 |
利子 | お金を借り入れた側が、 借入金に上乗せして支払うお金 |
金利・利息・利子のそれぞれの違いは上記の通りです。
利息と利子の違いは、お金を融資する側なのか、それとも借り入れる側なのかで表現が異なるだけで、意味に差はありません。
そして、利息や利子は借り入れた金額と、金利が何パーセントなのかで決まるということです。
金利と実質年利の違い
カードローンの商品詳細の紹介では、金利ではなく実質年利として表記されていることが一般的です。
実質年利とは、借入金額に利息と手数料などの諸費用を加えた金額を加えたものを計算したものを指します。
対して金利は、手数料等を含まずに計算したものを指します。
つまり、実質年利と金利の違いは手数料等を含むのか否かのみということになります。
カードローンの適用金利が決まる基準とは?

カードローン会社の多くでは、4.5%~17.5%というようにある程度金利に幅を持たせているため、実際にカードローンを利用したときの金利が何%なのかが気になる方も多いでしょう。
同じ借入金額でも、利用するカードローン会社によっては適用金利が異なるようなこともあります。
そこで、カードローンを利用する際の適用金利が決まる3つの基準について解説していきます。
利息制限法
利用限度額 | 適用金利の上限 |
10万円未満 | 年20.0% |
10万円以上100万円未満 | 年18.0% |
100万円以上 | 年15.0% |
カードローンで金利が決まる際に最初に関わってくる基準が、利息制限法です。
利息制限法は、借り入れする元本の金額に応じて、カードローン会社などの貸金業者が適用できる金利の上限を定めるための法律です。
上記の表の通り、利用限度額が高くなれば適用金利の上限は下がっていきます。
カードローン会社は、この利息制限法を遵守する形で、利用者に融資する金額に応じて金利を設定しているということです。
元本の金額に応じてカードローン会社が適用できる金利の上限は上記の通りで、これを遵守していない業者がある場合、違法で操業している闇金ということになります。
利用限度額
三井住友銀行カードローン 適用金利 | |
利用限度額 | 金利(実質年利) |
100万円以下 | 12.0∼14.5% |
100万~200万円以下 | 10.0~12.0% |
200万~300万円以下 | 8.0~10.0% |
300万~400万円以下 | 7.0~8.0% |
400万~500万円以下 | 6.0~7.0% |
500万~600万円以下 | 6.0~5.0% |
600万~700万円以下 | 4.5~5.0% |
700万~800万円以下 | 4.0~4.5% |
カードローンは、利息制限法で定められているように基本的には利用限度額が高額になれば適用される金利が下がっていく仕組みとなっています。
実際に、利用限度額に応じてどの程度適用金利が下がっていくのかを、上記の三井住友銀行のカードローンを例に紹介していきます。
100万円以下の借り入れは、ほぼ上限金利での借り入れとなり、利用限度額が100万円増えるにつれて、適用する金利を下がっていくことが分かります、
適用される金利が下がっていくために必要な利用限度額の基準は、カードローン会社によって異なり、その基準を公開していないカードローン会社がほとんどです。
適用される金利がどれぐらいなのかを申し込み前に正確にすることは難しいですが、利用限度額が高くなればその分、適用される金利も下がっていくことを理解しておけば、返済シミュレーションもしやすくなることは間違いありません。
初回契約かどうか
カードローンで適用される金利の基準として、申し込みをしたカードローン会社が初回利用なのか、それとも過去に同じカードローンを利用したことがあるのかが関わることがあります。
初回利用の時は、基本的にカードローン会社が設けている金利の上限が適用される可能性が高いです。
これは、初回利用の利用者の利用限度額を高額に設定しないことが理由として考えられます。
カードローンは、融資した金額の返済してもらえるような人のみが審査を通過することができます。
しかし、1回の審査では、その申込者が本当に信頼できるのかどうかは分からりません。
そこで、最初は申込者が毎月の返済を滞りなく行うことができる人かどうかを見図るために、利用限度額は低めで融資をするということです。
それに伴い、適用金利も上限となるということであるため、初めてカードローンを利用する方は上限金利が適用される前提のもと申し込みをするようにしましょう。
カードローンの金利が他のローンよりも高い理由

カードローンの金利はマイカーローンや教育ローンといった目的別ローンと比較すると、かなり金利が高いことに気づくかもしれません。
金利が高いローンは借金が膨らみ、完済までにかなり時間がかかるため、利用をためらってしまったり、危険なイメージを持っていたりするかもしれません。
しかし、カードローンの金利が他のローンと比較しても金利が高い正当な理由があります。
1つ目の理由としては、カードローンで借り入れたお金の使用目的が自由である点です。
目的別ローンは、借り入れ目的の商品やサービス以外でのお金の利用ができません。
対してカードローンは、カードローン会社から借り入れた金額は、利用者の裁量によって自由に選択することができます。
もちろん、借り入れたお金を自由に使えるからこそ利用者自身の管理能力が問われますが、自由度の高さがカードローンの金利の高さの理由の1つであることは間違いありません。
そしてカードローンの金利が他のローンよりも高い2つ目の理由は、カードローンは解約しなければ利用限度額内であれば何度でも借り入れできるという点です。
目的別ローンやフリーローンでは、基本的に最初の借り入れ以降は追加で借り入れをすることができません。
対してカードローンは、利用中の残高が0円であったとしても、解約をしなければいつでも利用限度額内での借り入れができるということです。
つまり、急な出費に備えてカードローンに契約をしておけば、一時的に金欠になるリスクを回避することができます。
まとめると、カードローンは他のローンと比較して自由度が高く、緊急時であっても即座に対応できる利便性を備えている分、金利が高いサービスということです。
カードローンの金利の相場を紹介

ここでは、カードローンの金利の相場を消費者金融と銀行カードローンに分けて紹介していきます。
消費者金融
カードローン | 金利(実質年利) |
アイフル | 3.0~18.0% |
アコム | 3.0~18.0% |
SMBCモビット | 3.0~18.0% |
プロミス | 4.5~17.8% |
レイクALSA | 4.5~18.0% |
消費者金融の上限金利は基本的に横ばいで18.0%または17.8%です。
そのため、初回利用であればカードローンを選ぶ時に金利を基準にする必要はありません。
対して、下限金利はカードローン会社ごとに少し差があり、3.0%か4.5%となっています。
もし、消費者金融で高額の借り入れをするのであれば、1.5%の差は利息額の支払いに大きな影響が出るため、借り入れる金額に応じて利用するカードローン会社を選ぶことが重要です。
ただし、多くの消費者金融では、初回利用なら一定期間が無利息となるサービスを利用することができるため、初回利用である方でそこまで高額の借り入れを予定しない方向けのサービスとなっています。
下記の記事では、大手消費者金融についてより詳しく紹介しています。
金利のみならず、各消費者金融の特徴などについても解説しているので、消費者金融に興味のある方はこちらもあわせてご覧ください。
銀行カードローン
カードローン | 金利(実質年利) |
イオン銀行 | 3.8~13.8% |
みずほ銀行 | 2.0~14.0% |
三井住友銀行 | 4.0~14.5% |
三菱UFJ銀行 | 1.8~14.6% |
楽天銀行 | 1.9~14.5% |
先に消費者金融の金利の相場を紹介しましたが、銀行カードローンと比較すると銀行カードローンの金利がかなり低いことが分かると思います。
消費者金融よりも金利が低いのが銀行カードローンの特徴であるため、なるべく利息の支払いを抑えたい方や、高額の借り入れを予定している方向けなのが銀行カードローンです。
上限金利の相場は若干幅があるように見えるが、14.0%前後であることが多く、中にはオリックス銀行カードローンやジャパンネット銀行カードローンのように、消費者金融とほとんど変わらない金利の銀行カードローンもあります。
また、下限金利に関しては銀行によって定めている金利が様々であるため、相場はありません。
もし、利用限度額の上限に近い金額を借り入れる予定なら、三菱UFJ銀行や楽天銀行のカードローンのように下限金利が1%台のカードローンを利用することをおすすめします。
下記の記事では、銀行カードローンについて詳しく紹介しています。
銀行カードローン各社の特徴や、低金利で借り入れることが本当にメリットなのかについて解説しているので、銀行カードローンに興味のある方はこちらもあわせてご覧ください。
カードローンの利息額の計算方法について

カードローンでの利息額は、上記の計算式にそれぞれの数値を代入すれば計算することができます。
うるう年の場合は、365日を366日で計算します。
利用残高10万円を18.0%で60日間(2ヶ月)借り入れた場合の利息の計算方法は以下の通りです。
100,000(円)×0.18(18%)÷365(日)×60(日)=2,598円
カードローンの返済額を適用金利別に紹介
ここでは、何%の金利でいくら借り入れると、毎月の返済額がいくらになるのか、総支払額がいくらになるのかなどを紹介していきます。
ご自身が借り入れを予定している金額に加えて、下記の2点をに着目してみてください。
- 借入金が高額になると、適用金利の低さが利息の支払いの影響が大きい
- 返済期間が長くなると、利息の支払い額が高額になる
5万円を完済する場合
返済 期間 | 適用 金利 | 毎月の 返済額 | 利息の 支払い額 | 総支払額 |
3ヶ月 | 18.0% | 17,169円 | 1,506円 | 51,506円 |
14.5% | 17,071円 | 1,212円 | 51,212円 | |
6ヶ月 | 18.0% | 8,776円 | 2,655円 | 52,655円 |
14.5% | 8,689円 | 2,133円 | 52,133円 | |
9ヶ月 | 18.0% | 5,980円 | 3,821円 | 53,821円 |
14.5% | 5,896円 | 3,064円 | 53,064円 | |
12ヶ月 | 18.0% | 4,589円 | 5,002円 | 55,002円 |
14.5% | 4,497円 | 4,008円 | 54,008円 | |
24ヶ月 | 18.0% | 2,496円 | 9,901円 | 59,901円 |
14.5% | 2,412円 | 7,889円 | 57,889円 |
30万円を完済する場合
返済 期間 | 適用 金利 | 毎月の 返済額 | 利息の 支払い額 | 総支払額 |
6ヶ月 | 17.5% | 52,582円 | 15,494円 | 315,494円 |
14.0% | 52,061円 | 12,366円 | 312,366円 | |
9ヶ月 | 17.5% | 35,810円 | 22,293円 | 322,293円 |
14.0% | 35,307円 | 17,766円 | 317,766円 | |
12ヶ月 | 17.5% | 27,432円 | 29,186円 | 329,186円 |
14.0% | 26,936円 | 23,228円 | 323,228円 | |
18ヶ月 | 17.5% | 19,070円 | 43,255円 | 343,255円 |
14.0% | 18,574円 | 34,335円 | 334,335円 | |
24ヶ月 | 17.5% | 14,904 円 | 57,707円 | 357,707円 |
14.0% | 14,403円 | 45,683円 | 345,683円 |
100万円を完済する場合
返済 期間 | 適用 金利 | 毎月の 返済額 | 利息の 支払い額 | 総支払額 |
12ヶ月 | 15.0% | 90,258円 | 83,094円 | 1,083,094円 |
12.0% | 88,848円 | 66,180円 | 1,066,180円 | |
18ヶ月 | 15.0% | 62,384 円 | 122,918円 | 1,122,918円 |
12.0% | 60,982円 | 97,668円 | 1,097,668円 | |
24ヶ月 | 15.0% | 48,486円 | 163,668円 | 1,163,668円 |
12.0% | 47,073円 | 129,752円 | 1,129,752円 | |
30ヶ月 | 15.0% | 40,178円 | 205,341円 | 1,205,341円 |
12.0% | 38,748円 | 162,427円 | 1,162,427円 | |
36ヶ月 | 15.0% | 34,665円 | 247,934円 | 1,247,934円 |
12.0% | 33,214円 | 195,696円 | 1,195,696円 |
カードローンの返済を延滞した時の延滞損害金について

カードローンでは毎月決まった日付に返済をする必要があり、もし1日でも延滞してしまった場合、延滞損害金が生じます。
延滞損害金も、金利と同じように利息制限法で上限が決まっていて延滞損害金利率(年利)は20.0%と定められていて、実際に適用される利率はカードローン会社ごとで異なり、多くのカードローン会社での延滞損害金利率は上限の20.0%であることが多いです。
延滞損害金は、通常の返済額にプラスして支払う必要があり、延滞した日数が増えればその分延滞損害金が膨らんでいきます。
そのため、まず最初に返済にはなるべく延滞しないことを心がけ、もし延滞してしまったらなるべく早く返済するようにしましょう。
下記の記事では、カードローンの返済を延滞することのデメリットについて紹介しています。
長期的な延滞をしてしまった場合、債務整理となる可能性があります。
延滞をしないためのコツなどを知りたいという方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
カードローンの金利に関するQ&A
ここでは、これまでご紹介することができなかったカードローンの金利に関するよくある質問とその答えを紹介していきます。
金利が0%のカードローンはある?
金利が0%のカードローンはありません。
また、ローンを組むためには金利が必ず発生します。
もし、0%の金利にて借り入れをしたいのであれば、公的機関の利用や、知人からお金を借りることを検討してみてください。
金利が低いカードローン会社は?
2020年12月現在、上限金利が1番低いカードローンはりそな銀行のカードローンで、金利は3.5~13.5%となっています。
対して下限金利が最も低いカードローンは、auじぶん銀行カードローンで1.48~17.5%となっています。
金利を引き下げる交渉をすることはできる?
カードローンの金利を引き下げるための交渉は、基本的にすることはできません。
カードローンの金利が引き下げられるのであれば、契約後数ヶ月間利用してから増額審査に申し込みをすることをオススメします。
カードローンの金利についてまとめ
今回、カードローンの金利について紹介してきた内容をまとめると、以下の通りになります。
- 金利とは「お金を借り入れた側が借入金に上乗せして支払う金額の割合のこと」
- カードローンの適用金利が決まる基準は利息制限法・利用限度額・初回利用か否かの3つ
- カードローンの金利が他のローンよりも高い理由は、借入金の使用目的が自由、解約をしない限り利用限度額内であれば何度でも借り入れできるという点の2つ
- 消費者金融の金利の相場は大体4.0~18.0%
- 銀行カードローンの金利の相場は大体2.5%~14.0%
- カードローンの利息額の計算方法は「利用残高×契約年利÷365日×利用日数」
- カードローンの返済を延滞してしまった場合、延滞損害金の支払いが発生する
カードローンの金利は、毎月の返済額の利息額に大きく関わります。
特に、借り入れ額が高額になればなるほど、低金利であることが負担の軽減となります。
また、返済期間も利息額の総額に大きく関わるため、無理のない範囲でなるべく短期間で完済することで総返済額を最小限に抑えることができます。
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下記の記事では、おすすめのカードローン会社10社を9項目で比較し、人気ランキングを紹介しています。
もし、カードローンの利用を検討してみたいという方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。