カードローンの「返済期間」と聞くと、完済までの期限と捉える方も少なくありません。
しかしカードローンでは、完済までに期限が設けられているわけではないのです。
ここでギモンを感じた方は、一度「返済期間」について正しく知っておきましょう。
本記事ではカードローンの返済期間について、以下の内容をメインに解説していきます。
- カードローンの「返済期間」とは
- 返済を延滞してしまった際の返済期間への影響
- 「返済シミュレーション」の方法
- カードローンの返済期間についての注意点
- カードローンの返済期間を早めるには
- カードローンの返済方法
返済期間について誤解したままだと、不要なストレスや不安を抱えることになります。
そのような状態にあると、完済に向けた前向きな返済継続は難しいと言わざるを得ません。
正しい知識を身に着けることは、返済の効率を向上させることにも繋がります。
カードローンの返済期間は、ご自身が思う以上に柔軟なものかもしれません。
この機会に返済期間について正しく理解し、ご自身の返済プランを見直してみましょう。
カードローンの返済期間とは?

冒頭でも解説したように、カードローンには返済の「期限」は設けられていません。
カードローン利用において大切なのは、確実に毎月の返済を行うことです。
しかしカードローンには、以下のような「期間」を表す言葉が存在します。
- 返済期間
- 契約期間
両者は語感や初見の意味の分かりにくさから、「返済期限」と誤解されやすい言葉です。
またそれぞれ意味の異なるものですが、お互いに混同されやすい言葉でもあります。
ここで一度、両者の意味を正しく理解しておきましょう。
「返済期間」は完済までに必要な期間の目安
カードローンにおける返済期間とは、簡単にいうと完済までに要する期間の目安です。
カードローンの契約時や、返済シミュレーションでは最終返済予定日が確認できます。
しかし、これは「完済までの期限」を意味するものではありません。
ここで、返済期間について抑えておくべきポイントを以下にまとめてみました。
- 返済期間は「返済回数」で知ることができる
- 同じ借り入れ金額でも返済金額や金利などにより返済期間は異なる
- 利用者の返済ペース次第で返済期間は長くも短くもなる
カードローンにおける返済期間は、「返済回数」として表される場合もあります。
返済回数から返済期間を知ることは簡単で、1回につき1ヶ月に換算することが可能です。
たとえば10万円の借り入れの返済回数が12回だった場合、返済期間は12か月になります。
ただし最初にも述べたとおり、返済期間はあくまで目安となる数値に過ぎません。
同じ借り入れ金額であっても、月々の返済金額や金利などにより返済期間は異なります。
また利用者の返済ペース次第で、カードローンの返済期間は長くも短くもなるのです。
カードローンの返済期間とは、意外にも簡単に変動し得るものといえるでしょう。
「契約期間」はカードの有効期限
カードローンには、返済期間のほかに「契約期間」と呼ばれる期間も存在します。
契約期間という言葉だけで見ると、カードローン契約の有効期限のように思えますね。
つまりカードローンの契約期間内に、借り入れを完済しなければならないのでしょうか。
まず知っておくべきことは、契約期間もまた「完済までの期限」ではないということです。
カードローンの契約期間については、以下のようにまとめることができます。
- 契約期間とは「ローンカードの有効期限」
- 審査に通過することで契約期間は自動更新される
カードローンの契約期間とは、多くの場合「ローンカードの有効期限」を指します。
しかし、契約期間が過ぎればいきなりカードが使用できなくなるわけではありません。
そもそもカードローンとは、前提として長期間での返済が想定されるものです。
返済を続けている状況にあっても、契約期間が迫ることは十分にあり得るでしょう。
そのためカードローンの契約期間は、自動的に更新される仕組みになっているのです。
自動的にとはいっても、特別な手続きが必要ないだけで審査はその都度行われています。
契約期間が更新されれば、それまでと変わらず利用を継続していくことが可能です。
返済の延滞が返済期間へ与える影響とは?

カードローンの返済期間は、利用者の返済ペースにより少なからず影響を受けます。
その中でも特に注意したいのが、「返済を延滞してしまった場合」です。
カードローンの返済遅延・延滞には、以下のような返済期間への影響が挙げられます。
- 返済期日が無効になる場合がある(期限の利益喪失)
- 事前相談で返済期間が延長できる可能性がある
これはカードローンを継続利用していく上で、非常に重要な問題です。
返済遅延・延滞を放置していれば、残高の一括返済を請求される場合もあります。
返済期間があることも、月々の返済ができていることも決して当たり前ではないのです。
リスクと正しい対処を知ることで、安心・安全なカードローン利用に繋げましょう。
返済期間の無効化
カードローンで分割返済が可能なのは、利用者に「期限の利益」があるためです。
期限の利益とは、簡単にいうと支払期日まで返済を待ってもらえる権利を指します。
言い換えれば、期限の利益があることで返済期間が設けられているということです。
そして最も「期限の利益喪失の原因」となり得るのが、返済の延滞といえるでしょう。
返済の延滞を起こした際、カードローン会社は以下のように対応を進めます。
- 利用者への電話連絡
- 督促状の発送
- 一括返済請求(期限の利益の喪失)
返済が遅れた場合、まず最初に行われるのが利用者への電話連絡による確認です。
この連絡は利用者の対応があるまで何度か続きますが、無視し続けると督促に発展します。
督促の段階に入ると、自宅に「督促状」が届くことは避けられません。
督促状には、最終支払期日と支払えなかった際のペナルティが記載されています。
そのペナルティというのが、借り入れ残高及び遅延損害金の一括返済請求なのです。
一括返済請求は、「期限の利益の喪失」と言い換えられます。
分割返済ができる権利を失い、そして定められた返済期間は無効になるのです。
そのためこの段階まできてしまうと、返済期間に沿った返済を継続することはできません。
一括返済請求に従うことが難しい場合、債権者との交渉・弁護士への相談が必要です。
このような事態に陥ることがないよう、月々の返済は確実に行うようにしましょう。
返済期間の延長
先ほど解説したように、返済の遅延・延滞には大きなリスクが伴います。
万が一返済が遅れそうな場合、正しい対処ができればそのリスクは回避できるでしょう。
その対処法とは至ってシンプルで、「カードローン会社に相談をすること」です。
カードローン会社に相談をすることで、結果的に返済期間が延長されます。
相談の際には必ず、「いつまでなら返済が可能か」と「返済の意思」を示しましょう。
それにより、最初の1回であれば返済期日を延ばしてもらえる可能性があります。
ただし返済を待ってもらう上では、以下のことに注意が必要です。
- 大幅な延長はできない(できて1ヶ月程度)
- 遅延損害金が発生する
まず覚えておかなければならないのが、大幅な引き延ばしはできないということです。
そのため遅れた分の返済期日は、ご自身で自由に決められるわけではありません。
あまりにも先延ばしにしてしまうと、対応してもらえない可能性が高いでしょう。
担当者が親切であれば、適切な範囲から支払い期日を提案してもらえる場合もあります。
返済の遅れを待ってもらえるのは、長くても1ヶ月程度と覚えておきましょう。
また返済を待ってもらえている間も、毎日遅延損害金が発生しています。
そのため、期日が延びたとしても早めに返済しておくことがオススメです。
そして一度支払い期日が決まったら、さらに遅延を重ねないようにしましょう。
信用情報に傷がつくだけでなく、前項で解説したようなリスクにもつながってしまいます。
またカードローンの返済延滞については、以下の記事でも解説しています。
延滞によるリスクや対処法について知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
カードローンの返済シミュレーション方法

カードローンの利用にあたって、まず返済シミュレーションを行うことがオススメです。
返済シミュレーションでは、大体の返済期間を事前に知ることができます。
返済期間を知っておくことで、より明確に返済計画を立てることができるでしょう。
カードローンの返済期間は、以下の条件の組み合わせにより決定します。
- 借り入れ残高
- カードローンの金利
- 約定返済金額
- 臨時返済金額
これらのバランスは非常に重要で、どれかひとつが異なるだけでも返済期間は変わります。
そして重要なのが、これらの条件はカードローンにより異なる場合があるということです。
そのため同じ借り入れ金額であっても、カードローンによって返済期間は異なります。
ご自身に最適なカードローンを探す上でも、返済シミュレーションは役立つでしょう。
返済シミュレーションといっても、特別難しいものではありません。
これから具体的な方法を解説するので、返済シミュレーションの実践をしてみましょう。
カードローンの金利を元に「利息」を計算する
カードローンでは借り入れの返済のほかに、利息の支払いも発生しています。
この利息とは、借りたお金に対して発生する「レンタル料金」のようなものです。
そしてカードローンの金利とは、「元金に対しての利息の割合」を示しています。
カードローンの利息は、この金利を用いて以下のように計算することが可能です。
- 借入額×金利÷365(366)×借入日数=利息
- 100,000×0.18÷365×365=18000円
返済計画を立てる上で、ご自身が支払う利息を事前に把握しておくことは重要です。
利息を基準にカードローンを選ぶことには、返済総額が抑えられるメリットもあります。
ご自身が利用したいカードローンの貸付条件を確認し、上記の式に当てはめてみましょう。
そしてほかのカードローンでも同様に計算して、比較してみることをオススメします。
実際に申し込む前に、もっとお得に利用できるカードローンが見つかるかもしれません。
「返済シミュレーションツール」を利用する
多くのカードローン公式サイトでは、返済シミュレーションツールが用意されています。
このツールを活用することで、返済に役立つ様々な情報を見ることができるのです。
返済計画を立てる上でも、非常にオススメの方法といえるでしょう。
返済シミュレーションツールでは、以下のような情報を確認することができます。
- 利息
- 返済総額
- 毎月の返済金額
- 完済までの期間(返済回数)
返済シミュレーションツールでは、自動計算で上記の数値を算出します。
操作も非常に簡単で、必要なのは基本的に借り入れ金額や借り入れ日数の入力のみです。
以下はほんの一部ですが、返済シミュレーションツールが利用できるカードローンの一覧です。
- アコム
- アイフル
- レイクALSA
- プロミス
- 三井住友銀行カードローン
- みずほ銀行カードローン
このように多くの消費者金融、銀行カードローンで利用可能となっています。
返済シミュレーションツールは、簡単・便利なだけではありません。
無料で利用できる上に、個人情報の入力も不要なため安心して利用することができます。
ぜひこの機会に、返済シミュレーションツールを活用してみてはいかがでしょうか。
カードローンの返済期間についての注意点

カードローンの返済期間について、その意味や仕組みについては解説してきました。
ここからはカードローンの返済期間について、知っておくべき注意点について解説します。
カードローンの返済期間に関しては、以下の2点に注意が必要です。
- 追加で借り入れをすると返済期間が長引く
- 金利の高いカードローンは返済期間が長くなる
基本的に注意すべきことは、返済期間が長引いてしまうことです。
返済期間が長いことには、余裕のある返済ができる利点があるようにも思えます。
しかし返済期間が長引いてしまうことには、大きなデメリットがあるのです。
それらも踏まえた上で解説をしていくので、ぜひ最後までご覧ください。
追加借り入れによる返済期間の延長
カードローンの利用にあたっては、追加の借り入れを行うことは珍しくありません。
しかしこの追加借り入れは、よく考えた上で行うべきといえるでしょう。
追加借り入れを行い借り入れ残高が増えることで、返済期間は長引いてしまいます。
そしてそれは同時に、支払う利息の総額が増えることにも繋がるのです。
実際に追加借り入れをした場合と、しない場合との違いを以下にまとめてみました。
借り入れ残高 | 追加借り入れ | 金利 | 約定返済金額 | 返済期間 | 利息総額 |
10万円 | – | 18.00% | 4,000円 | 32ヶ月 | 約48,000円 |
10万円 | 5万円 | 18.00% | 4,000円 | 56ヶ月 | 約126,000円 |
(※)計算式に沿った例であり実際の借り入れ時の数値とは異なる場合があります
たとえ少額の追加借り入れであっても、実際の返済期間にかなりの影響が出てしまいます。また返済期間だけでなく、利息の総額への影響も決して小さくはありません。
もちろん、追加の借り入れは必要なタイミングであれば利用したいものです。
しかしこのような影響を把握した上で、利用は慎重に検討するべきといえるでしょう。
どうしても追加借り入れが必要な場合は、その後の対処が需要になります。
臨時返済を行うことで、一度延長されてしまった返済期間を調整することが可能です。
金利が高い=返済期間が長い
先にも解説したように、カードローンによっては適用される金利が異なります。
そして金利の差は利息の差だけでなく、返済期間の長さにも影響するのです。
それでは、金利の差によって返済期間にどれほどの差が出るのでしょうか。
金利の異なる4つのカードローンを例に、返済期間の違いを以下にまとめてみました。
借り入れ残高 | 金利 | 約定返済金額 | 返済期間(回数) |
10万円 | 18.00% | 4,000円 | 2年8か月(32回) |
10万円 | 14.00% | 4,000円 | 2年6ヶ月(30回) |
10万円 | 3.00% | 4,000円 | 2年2ヶ月(26回) |
10万円 | 2.00% | 4,000円 | 2年2ヶ月(26回) |
(※)計算式に沿った例であり実際の借り入れ時の数値とは異なる場合があります
上記の例では、金利による返済期間の差が最大半年分も開いていることになります。
金利が低ければ完済できている頃に、金利が高ければそこから半年の返済が続くのです。
同じ借り入れ金額、同じ返済金額であっても金利だけの違いでここまで影響が出ます。
上記は一例に過ぎず、借り入れ条件の違いによってはさらに差は開くでしょう。
返済期間が長いということは、支払っている利息も大きいということです。
金利の高いカードローンの利用することで、結果的に返済負担が大きくなってしまいます。
これをデメリットに感じるのであれば、カードローン選びは慎重に行いましょう。
またカードローンの金利については、以下の記事で詳しく解説しています。
金利についてさらに知っておきたいという方は、ぜひ本記事と一緒にご覧ください。
カードローンの返済期間を短縮する方法は?

カードローンの返済期間は、短縮することが可能です。
返済期間を短縮することには、支払い総額を抑えられるというメリットもあります。
しかし返済期間を短縮するために無理はするべきではありません。
結果的に返済が苦しくなってしまう可能性もあり、そうなっては元も子もないでしょう。
返済期間短縮のためにできることは、以下のようにいくつかあります。
- 返済期間の短縮に適した返済方式を選ぶ
- 月々の約定返済金額を見直す
- 余裕のあるときにはまとまった金額の返済をする
- 今よりも条件のいいカードローンに切り替える
カードローンの返済期間は、カードローンの契約時で決まるものではありません。
最初にもお伝えしたように、自分次第でいくらでも変えることができるものなのです。
そのためにも、これから解説する中からご自身に最適な方法を実践しましょう。
返済方式の選択
カードローンの返済方式を選ぶことで、返済期間が短縮できる可能性があります。
カードローンの返済方式は、大きく分けて以下の2通りです。
- 元利定額返済方式
- 残高スライド元利定額返済方式
双方に共通する「元利」という言葉は、「元金と利息」を指します。
それを踏まえた上で、両者の違いを以下にまとめてみました。
【元利定額返済方式】
- 元利と利息を合わせた一定額を毎月返済していく
- 借り入れ残高が変わっても「返済金額」は変わらない
【残高スライド元利定額返済方式】
- 元利と利息を合わせた一定額を毎月返済していく
- 借り入れ残高が変わると返済金額が変動する
毎月の返済金額に利息が含まれている点は、両者ともに共通しています。
そして異なるのは、借り入れ残高に応じて返済金額が変わるかどうかです。
そこから考えると、元利定額返済方式には月々の負担が軽いというメリットがあります。
返済金額も一定のため、家計管理がしやすく返済計画も立てやすいでしょう。
ただし、月々の返済金額が変わらないということにはデメリットもあります。
追加借り入れの際、もう片方の方式よりも返済期間が大幅に長引いてしまう点です。
一方残高スライド元利定額返済方式では、借り入れ残高に応じて返済金額も変化します。
計画的に返済を継続できていれば、徐々に返済負担が軽くなるのがメリットです。
デメリットとしては、次の返済金額がいくらになるか都度確認が必要な点が挙げられます。
元利定額返済方式と比較すると、収支の計算が難しくなる方式といえるでしょう。
返済期間の短縮のためには、一概にどちらの方式がいいとはいえません。
大切なのは、ご自身にとって無理のない返済方式を選ぶことです。
月々の返済金額を大きくする
契約当時よりも経済状況が改善・向上しているなら、返済金額を見直してみましょう。
月々の返済金額を大きくすることで、返済期間の短縮が可能です。
月々の返済金額の違いで、そこまで返済期間に差が出るかを以下にまとめてみました。
借り入れ残高 | 金利 | 約定返済金額 | 返済期間(回数) |
10万円 | 18.00% | 2,000円 | 7年10ヶ月(94回) |
10万円 | 18.00% | 5,000円 | 2年(24回) |
10万円 | 18.00% | 10,000円 | 11ヶ月(11回) |
(※)計算式に沿った例であり実際の借り入れ時の数値とは異なる場合があります
上記の表は、月々の返済金額以外をすべて同じ条件にしてまとめたものです。
数千円の違いだけで、年単位で返済期間に差が出ていることがわかります。
約定返済金額は、あくまで最低限返済する金額です。
そのため約定返済日に、約定返済金額以上の返済を行うことに問題はありません。
またカードローン会社によっては、約定返済金額を変更できる場合もあります。
可能な範囲で、返済金額をこれまでよりも大きく設定してみてはいかがでしょうか。
返済期間をぐっと短縮して、より早く完済することができるでしょう。
余裕があるときの臨時返済
毎月の返済金額を上げるには、少し不安のある方もいるでしょう。
「臨時返済」であれば、毎月でなくても余裕のある時だけ多めに返済ができます。
臨時返済は約定返済とは異なり、ご自身の好きなタイミングで行える返済です。
約定返済と臨時返済を組み合わせることで、返済期間を短縮することができます。
ここで臨時返済を行う場合と、行わない場合での返済期間の違いをまとめてみました。
借り入れ残高 | 金利 | 約定返済金額 | 臨時返済金額 | 返済期間(回数) |
30万円 | 18.00% | 8,000円 | – | 4年8か月(56回) |
30万円 | 18.00% | 8,000円 | 10万円 | 2年8か月(32回) |
(※)計算式に沿った例であり実際の借り入れ時の数値とは異なる場合があります
臨時返済独自のメリットは、返済金額がすべて元金の返済に充てられることです。
上記のように、借り入れ残高30万円の状態で10万円の臨時返済を行ったとします。
その場合元金の30万円から10万円が引かれ、残高20万円での返済期間が実現するのです。
その結果上記の例では、返済期間が2年分も短縮されています。
上記の例だけでも、臨時返済がもたらす返済期間への影響の大きさがわかりますね。
この効果は、臨時返済金額の大きさにより異なります。
さらに大きな金額を臨時返済に充てられれば、もっと大幅な返済期間の短縮が可能です。
ただし臨時返済をしても、次回約定返済日に繰り越されることはありません。
必ず次回の返済は発生するので、臨時返済を行う際は無理のない範囲で実行しましょう。
カードローンの臨時返済(繰り上げ返済)については、以下の記事でも解説しています。
より詳しく臨時返済について知りたいという方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
カードローンの借り換え
カードローンは、商品ごとにその特性が大きく異なります。
同じ借り入れ金額でも、金利や約定返済金額などの条件はカードローンにより様々です。
そのため借り換えを行うことで、返済期間を短縮できる可能性は十分にあるでしょう。
またカードローンの借り換えには、以下のようなメリットがあります。
- 金利の低いカードローンに切り替えられる
- 月々の返済負担が軽くなる
- 利便性が向上する場合がある
カードローンの借り換えで最も重視されるのが、やはり「金利」です。
これまで解説したように、金利の低さは利息の総額・返済期間の長さに直結します。
低金利のカードローンを借り換え先に選ぶことで、返済期間の短縮が期待できるでしょう。
また借り換えには、返済期間の短縮以外の面においてもメリットがあります。
約定返済金額を低くできる場合もあり、月単位で考えた返済負担の軽減が可能です。
そして借り換えによって、それまでよりも利便性が向上する場合もあるでしょう。
返済手段の選択肢が増えるなど、利便性の向上による返済ストレスの軽減も期待できます。
カードローンの借り換えについては、以下の記事で詳しく解説しています。
本項で借り換えに興味を持っていただけたなら、ぜひ本記事とあわせてご覧ください。
カードローンの返済方法とは?

カードローンには、以下の3種類の返済方法があります。
- 約定返済(定例返済)
- 臨時返済(随時返済・任意返済・繰り上げ返済)
- 一括返済
本記事の中でも、異なる返済方法の組み合わせで返済期間を短縮できると解説しました。
たとえば正社員など収入が常に安定している利用者であれば、約定返済金額を大きくすることで返済期間の短縮が可能です。
一方アルバイトや自営業者など、比較的収入が不安定な場合はどうでしょう。
無理に返済金額を大きくすることで、次以降の返済が苦しくなる可能性があります。
その場合は約定返済を継続し、余裕のある月のみ臨時返済を行うことがオススメです。
返済遅延のリスクを抑えつつ、返済期間の短縮も可能になるでしょう。
返済期間短縮のためには、まずご自身の経済状況に合った返済方法の選択が重要です。
そのためにも、ここで一度それぞれの返済方法について詳しく解説していきます。
約定返済(定例返済)
約定返済とは定例返済とも呼ばれ、決まった日に決まった金額を返済する方法です。
返済日と返済金額は、それぞれ「約定返済日」「約定返済金額」と呼ばれます。
約定返済はカードローンの基本的な返済方法であり、必ず行うものです。
いわば返済のベースとなるもので、約定返済を基準に返済期間は設定されます。
そのため後述する返済方法ついては、必須ではありません。
約定返済を基本とした上で、可能なら実践したい返済方法程度に認識しておきましょう。
また具体的な返済手段としては、基本的に以下の3パターンが挙げられます。
- 口座振替
- ATM返済
- 指定口座への送金
口座振替であれば、約定返済日に自動的に約定返済金額が引き落とされます。
返済遅れ・返済忘れのリスクを抑えられる点では、非常に便利な返済手段です。
ただし口座残高が足りない場合は、引き落としができません。
引き落とし口座を給与振り込み用口座に指定するなど、残高不足の回避が必要です。
その他の返済手段に関しては、約定返済日に自身で返済を行わなければなりません。
約定返済日に忘れずに返済を行うことは大事ですが、注意すべきことがあります。
それは、「約定返済日より前に返済をしてしまうこと」です。
約定返済日前の返済は、場合によっては臨時返済と見なされることがあります。
臨時返済扱いになってしまった場合、約定返済日に改めて返済をしなければなりません。
大抵の場合、約定返済日前には「約定返済と見なされる期間」が用意されています。
数日程度の前倒しであれば、問題なく約定返済扱いになるといえるでしょう。
ただしカードローン会社により、その期間の設定は異なります。
不安な場合は、事前にカードローン会社へ確認をしておくことがオススメです。
臨時返済(随時返済・任意返済・繰り上げ返済)
臨時返済は、約定返済以外のタイミングで自由に行える返済です。
随時返済・任意返済・繰り上げ返済など、同じ意味でも呼称はいろいろとあります。
この臨時返済におけるメリットは、主に以下の通りです。
- 好きなタイミングで返済可能
- 返済はすべて「元金」に充てられる
- 少額からでも返済可能(返済金額の下限はカードローン会社による)
臨時返済は約定返済とは異なり、毎月定められている返済ではありません。
そのため余裕のある月だけ、好きなタイミングで好きな金額を収めることが可能です。
また最大のメリットとして、返済金額がすべて元金に充てられる点が挙げられます。
直接的に元金を減らすことができるため、大幅な返済期間短縮が期待できるのです。
約定返済のみの場合は、利息の支払いにも充てられることでなかなか元金が減りません。
約定返済と臨時返済で同じ金額を返済すると、臨時返済は目に見えて元金が減るでしょう。
そして臨時返済により返済期間が短縮されれば、支払う利息の総額も抑えられます。
約定返済のみで完済する場合よりも、結果的にお得になるのが臨時返済のよい点です。
臨時返済を行う場合、返済金額は基本的に利用者が自由に決められます。
少額でも臨時返済は可能であり、臨時返済のハードルは決して高いものではないのです。
ただし返済金額の下限は、カードローン会社によって基準が異なります。
臨時返済を行う際には、事前にカードローン会社への確認をしておきましょう。
一括返済
一括返済とは、文字通り借り入れ残高を一括で返済する方法のことです。
一括返済とは、多くの場合返済延滞や利用規約違反などのペナルティとして知られます。
そのため一括返済に対し、よい印象を持つ人は少ないかもしれません。
しかし、一括返済は自分の意志でも行うことが可能です。
カードローンの一括返済には、以下のようなメリットがあります。
- 支払いの総額が安く済む
- 必要な時にまた借り入れができる
- 信用情報に良好な返済記録を残せる
まず第一のメリットとして、支払い総額が抑えられるという点が挙げられるでしょう。
カードローンの約定返済では、月々の返済金額に利息の支払いが含まれています。
約定返済と一括返済では、支払う利息の総額の差が数万円になることも珍しくありません。
約定返済では月当たりの返済負担も軽く、支払う利息は見えにくい部分でもあります。
一括返済をすることにより、結果的にかなりの金額を得しているといえるでしょう。
また一括返済で借り入れを完済しても、解約しない限りカードローンは使用可能です。
借り入れ可能枠がフルで使える状態になるため、必要時には速やかな借り入れができます。
まとまった金額の借り入れのために、再度新たに審査を受ける必要もありません。
もちろん、不要な借り入れを防ぐため完済後には解約するというのも賢い選択でしょう。
そして一括返済をすることで、信用情報にも完済の記録を残すことができます。
良好な信用情報の記録を残すことは、今後の様々な審査を有利に進めるためにも重要です。
また月々の返済を継続するよりも、返済遅延などのリスクを確実に防ぐこともできます。
このようにカードローンの一括返済には、様々なメリットがあります。
そのため少額の借り入れであれば、自主的に一括返済を行う利用者も少なくありません。
カードローンの返済期間についてのQ&A
ここからは、カードローンの返済期間に関するQ&Aです。
「返済期間」と「返済期限」の違いとは?
カードローンの返済期間は、期日通りの返済を想定して算出される完済までの期間です。
あくまで目安としての期間であり、返済期限を表したものではありません。
「期日に従った返済を重ねた結果が返済期間なら、返済期限と同じ意味じゃないの?」
そのように考える方も、いらっしゃるかもしれません。
たしかにカードローンには「約定返済日」が存在し、これは期限と似た意味を持ちます。
月々の返済に期日があるなら、それを重ねた返済期間は「期限」のように思えるでしょう。
しかし返済期間と返済期限とでは、以下のように意味の異なる言葉です。
【返済期間】
- 「完済までにかかる期間」のこと
- 返済の仕方次第で長くも短くもなる
- 期間内の完済は必須ではない(※)
(※)期間内で完済できないケースもあるため
【返済期限】
- 「完済を待ってもらえる期限」のこと
- 期限内に完済しなければならない
- カードローンには存在しない
本記事内でも解説しましたが、カードローンには返済期限は設けられていません。
カードローン利用において、返済期間通りの完済ができないことは十分にあり得ます。
早く完済できることもあれば、返済期間を過ぎても完済できないこともあるのです。
しかし返済期間は期限ではないため、期間内の完済ができなくても問題はありません。
返済期間は、利用者の返済ペースにより延長も短縮も可能なのです。
追加の借り入れや約定返済額の変更など、返済期間が延びる要因は多々あります。
返済期間は目安でしかなく、よくも悪くも変動しやすいものと考えておきましょう。
ただしこれは、毎月の返済が遅れても問題ないということではありません。
万が一返済が遅れそうな場合は、本記事内でも解説した「正しい対処」が必要です。
返済期間内に契約が更新できないとどうなる?
カードローンの契約の更新時には、審査が行われます。
そのため、審査に通過できなければカードローンの契約は更新できません。
カードローンの契約更新の審査は、利用状況に問題がなければ通過可能です。
逆にいえば、返済遅延や利用規約違反などがあれば更新不可になる可能性があります。
それでは万が一、返済期間中に契約の更新ができなければどうなるのでしょうか
契約が終了になると、カードローンの利用において以下の影響があります。
- 追加融資が受けられなくなる
- 完済するまで返済を続けていくことになる
契約の更新ができなくても、基本的に借り入れ残高の一括返済請求には発展しません。
あくまで借り入れができなくなるだけであり、それまでと変わらず返済の継続が可能です。
しかしもしも借り入れ可能な枠がまだある状態であれば、契約が終了してしまうのは勿体ないともいえます。
それだけでなく、契約が更新できないということは利用状況に問題があるということです。
契約が更新できないとなった時点で、信用情報に何かしら傷がついている恐れがあります。
信用情報に傷がついてしまうことは、将来的に考えても大きなデメリットです。
変わらず返済が続けられるからといって、更新ができないことを楽観してはいけません。
問題なく契約期間を更新するためにも、カードローンの計画的な利用を心がけましょう。
返済期間は自分で変えられる?
カードローンの返済期間は、ご自身で変えることができます。
カードローンの返済は、長期・短期どちらがいいというわけではありません。
長期返済であれば月々の負担が抑えられ、短期返済であれば支払い総額を節約できます。
どちらのメリットを取るかは、ご自身の経済状況などと照らし合わせて考えましょう。
また返済期間の短縮・延長は、具体的に以下の方法で可能となります。
【返済期間が短縮される場合】
- 臨時返済など約定返済以外にも返済を行う
- 約定返済額を大きくする
- 金利の低いカードローンを借り換える
【返済期間が延長される場合】
- 約定返済額を少なくする
- 返済の支払いを待ってもらう
- 追加の借り入れを行う
返済期間は、ご自身の借り入れ・返済状況を反映した結果に過ぎません。
そのため返済期間は「変える」というよりも、ご自身にあわせ「変わる」ものです。
カードローンにおいて重要なのは、完済そのものではなく完済に向けた月々の返済です。
無理をして返済を行うのではなく、「無理のない返済の継続」を心がけましょう。
そうすれば、返済期間もご自身の利用状況にあわせて最適なものへと変わっていきます。
カードローンの返済期間についてまとめ
カードローンの返済期間は、ご自身の利用状況にあわせ、長くもなれば短くもなります。
つまりカードローンの返済期間は、ご自身でのコントロールが可能ということです。
ご自身にとって無理のない返済を継続しつつ、上手に返済期間をコントロールしましょう。
ここで、本記事の内容を以下に簡単にまとめてみました。
- 返済期間とは完済までにかかる期間の目安
- 「返済シミュレーションツール」の活用で返済期間が事前にわかる
- 「追加借り入れ」や「高い金利」は返済期間が長引く原因になり得る
- 「返済金額の見直し」や「臨時返済」などで返済期間は短縮できる
- 返済期間の短縮よりもまずは「確実な返済」を優先するべき
本記事ではカードローンの返済期間について、主に期間短縮のコツや注意点について解説してきました。
しかしカードローンの利用において最も大切なのは、月々の返済を確実に行うことです。
様々な返済方法の活用なども、月々の返済に無理が生じてしまっては意味がありません。
決して無理は行わず、ご自身のペースで返済期間をコントロールしていきましょう。