記事の監修者

伊藤圭佑

資産運用会社に勤める金融ライター。証券アナリスト保有。 新卒から一貫して証券業界・運用業界に身を置き、自身も個人投資家としてさまざまな証券投資を実施。キャリアにおける専門性と個人投資家としての経験を生かし、経済環境の変化を踏まえた投資手法、投資に関する諸制度の紹介などの記事・コラムを多数執筆。


みなさんはFXトレードにも税金がかかることを知っていますか?今回はFXトレードに関する税金について徹底的に解説していきます。

FXトレードに税金はかかるの?

FXトレードに税金はかかるの?

一定の条件を満たすと確定申告が必要になる

FXトレードを始めたからといって必ずしも確定申告が必要になるわけではありません。年収が2,000万円以下の給与所得者の場合、給与以外の所得が年間20万円を超えた場合は確定申告をする必要があります。

たとえば、FXでの所得が15万円だったとして、他の不動産投資や株式投資などの全ての雑所得と合算し20万円を超えたら確定申告が必要です。専業主婦や学生で扶養に入っている場合は、所得が48万円以上になった場合は確定申告をしなくてはいけません。また、その場合、扶養からも外れてしまうため注意が必要です。

FXトレードは株のような源泉分離課税制度(源泉徴収)がない

FXトレードには、株式投資の源泉徴収ありの特定口座のような制度がありません。損益計算も確定申告も自分で行わなければなりません。

そもそも確定申告とは?

そもそも確定申告とは?

確定申告とは「所得」に対してかかる税金を自分で精算する手続きです。株式の配当金や不動産投資の利益、FXの利益など、所得の種類はさまざまです。税法の世界では「所得が発生したら税金を払う」のが大原則です。1年間で得た「所得」を集計し、税金を計算して自ら申告・納税する、これが確定申告です。このように、納税者が自分で納める税金を申告し、納税する方法を「申告納税方式」といいます。

FXにかかる税率は一律「20.315%」

所得が上限を超えた場合、確定申告を行って税金を支払います。国内FX口座で得た利益の場合、税率は一律で20.315%です。これには所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%が含まれています。(現状、令和19年12月31日まで)

海外FXは要注意!

前述の「税率一律20.315%」は国内FXで得た所得にのみ適用されます。国内FXで得た所得は「申告分離課税」として扱われます。しかし、海外FXで得た所得は「総合課税」という扱いになります。

総合課税は、他の分野で得た所得も合算し、その総額に対して課税される仕組みです。税金の種類は国に対する所得税と、住んでいる自治体に対する住民税(地方税)。このうち所得税は、所得が上がるほど税率も高くなる「累進課税」です。住民税は一律10%で、内訳は都道府県税と市区町村税に分かれます。

総合課税は全ての所得を合算するため、そこには給与も含まれます。サラリーマンなど給与所得者であれば、所属の事業所で年末調整が行われるでしょう。それに加えてFXでも所得が発生した場合、両者を合算させなくてはなりません。企業で働いている方は、年末調整の結果を踏まえて、個人で確定申告を行う必要があります。なお、「総合課税」の所得区分は大きく分けて以下の8つです。

(1) 利子所得(源泉分離課税とされるもの及び平成28年1月1日以後に支払を受けるべき特定公社債等の利子等を除く。)

(2) 配当所得(源泉分離課税とされるもの、確定申告をしないことを選択したもの及び、平成21年1月1日以後に支払を受けるべき上場株式等の配当について、申告分離課税を選択したものを除く。)

(3) 不動産所得

(4) 事業所得(株式等の譲渡による事業所得を除く。)

(5) 給与所得

(6) 譲渡所得(土地・建物等及び株式等の譲渡による譲渡所得を除く。)

(7) 一時所得(源泉分離課税とされるものを除く。)

(8) 雑所得(株式等の譲渡による雑所得、源泉分離課税とされるものを除く。)

累進課税制度とは

累進課税制度とは、「所得」の金額によって変動する税率のことです。所得税がこれにあたり、5%から45%まで7段階あります。所得195万円以下にはありませんが、所得が195万円を超えてくると、「控除額」といって所得税から一定の金額分、課税対象外になります。

所得額所得税率控除額住民税
195万円以下5%0円10%
195万円を超え330万円以下10%9万7,500円10%
330万円を超え695万円以下20%42万7,500円10%
695万円を超え900万円以下23%63万6,000円10%
900万円を超え1,800万円以下33%153万6,000円10%
1,800万円を超え4,000万円以下40%279万6,000円10%
4,000万円超え45%479万6,000円10%

確定申告はしなくてもバレない??

確定申告はしなくてもバレない??

必ず発覚する!脱税行為

 「確定申告ってやらなくてもバレない?」と考えた方もいるかもしれません。結論からいうと確実に発覚します。「所得」があるにも関わらず、無申告のまま放置していると、時間が経つほどペナルティが膨らみますし、社会的信用も失うので損しかしません。確定申告は必ず行いましょう。

なぜFX取引後に確定申告をしないとバレるのか

 それでは、なぜ確定申告をしないとバレるのか、ついて解説していきます。まず、国内FXの場合です。国内の各業者は「支払調書(顧客の取引データ)」を税務署に提出しています。

また、現在はマイナンバーと紐づけられているため、税務署は簡単にFXトレーダーの利益を把握できます。もちろん、同様に対象者の確定申告の有無も調べられるため、簡単にバレます。

次に海外FXの場合です。海外で個人所得があると疑われた場合は、日本の国税は海外の徴税機関に情報公開を請求できます。そして、海外FXでは為替差益が発生した段階で利益と定義されるため、出金するかどうかにかかわらず課税対象になります。

もし、海外FXの口座に税務調査が入り、為替差益による利益が確認された場合、出金していなくても脱税扱いとなるのです。また、海外FXの利益を申告せずにいると、過去にさかのぼって追徴課税を受ける可能性もあります。

無申告が発覚するとどうなるのか

FXの利益を申告せず、税務署に指摘されると、ペナルティが科されます。1つは無申告加算税です。本来の税額が50万円までの場合は15%、50万円を超える部分は20%となります。

もう1つは延滞税です。本来の税額に対して、納期限から2カ月間は年7.3%、それ以降は、年14.6%となります。とくに悪質と判定された場合には、40%の重加算税が加算されるケースもあるので注意してください。なお、税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告をした場合には、この無申告加算税が5%の割合を乗じて計算した金額に軽減されます。

無申告発覚後の流れ

まず、無申告のままでいると一定の期間後に税務署から連絡が来ます。ただし、税務署は無申告を把握してからすぐには連絡しません。連絡を受けた後は、税務署で面談をし、確定申告作業をします。その後、所得の確定金額をもとに所得税と追徴課税の金額が決定されます。

必ず確定申告をしたほうがいい理由

必ず確定申告をしたほうがいい理由

ここからは確定申告をすることで得られるメリットについて解説していきます。

損失は最大3年間「繰越控除」が適用される

繰越控除とは、譲渡損失を翌年以降の3年間にわたり繰り越すことができる制度です。つまり、譲渡損失を翌3年間いっぱいは利益と相殺できるのです。ただし、繰越控除は繰り越す年と翌3年間は毎年確定申告をしなければならないので注意してください。

確定申告する際の注意点

確定申告する際の注意点

海外FXでは税率が異なる

国内FXの課税方式は「申告分離課税」で税率が一律20.315%ですが、海外FXの場合は課税方式が「総合課税」になり、ほかの所得と一緒に申請しなくてはいけません。給料の所得も計算しないといけなくなるので、海外FXをメインで利用することはあまりおすすめできません。しかし、海外FXは国内FXと違い高いレバレッジをかけることができるので、一攫千金を狙いたければ、そちらを利用してみるのもいいかもしれませんが、税計算の面では手間だということを覚えておきましょう。

複数のFX会社で取引している人は「損益通算制度」を必ず利用する

FXトレードでは、複数のFX会社でトレードしている人も一定数いるでしょう。例えば、A社で100万円の利益が出て、B社で40万円の損失が出たとします。もし「損益通算制度」を利用しなければ、100万円をそのまま確定申告しなければいけません。

しかし「損益通算制度」を利用することで合計の利益は(100万円)-(40万円)=60万円になり、納税額を減らすことができます。特に複数のFX会社で取引をしている場合は、必ず各社の損益の合計額を出し「損益通算制度」を利用して節税することをおすすめします。

国内FXの場合、FX会社が発行する「年間取引報告書」が必要

FXトレードで確定申告をする際は年間取引報告書(年間損益報告書)が必要になります。年間取引報告書(年間損益報告書)は取引で使用しているFX会社のサイトからダウンロードが可能です。

おすすめのFX取引会社5選!

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まとめ

まとめ

今回はFXトレードにおける確定申告について徹底的に解説しました。納めるべき税を納めないことはすなわち犯罪なので、バレるバレない関係なく必ず納税しましょう。今回の記事で押さえてほしい内容は以下の通りです。

  • FXで利益を出した場合、一定の条件を満たすと確定申告が必要になる。
  • FXトレードには、株のような源泉分離課税制度(源泉徴収)がない。利益に対して一律「20.315%」の税金が課される。
  • FXで利益が生じた場合は必ず納税しなければならない。現在はFX口座とマイナンバーが紐づけられているため、脱税は非常に高い確率で発覚する。
  • しっかりと確定申告をすれば、最大3年間の「繰越控除」が適用され、利益と損失を合算できる。