記事の監修者

伊藤圭佑

資産運用会社に勤める金融ライター。証券アナリスト保有。 新卒から一貫して証券業界・運用業界に身を置き、自身も個人投資家としてさまざまな証券投資を実施。キャリアにおける専門性と個人投資家としての経験を生かし、経済環境の変化を踏まえた投資手法、投資に関する諸制度の紹介などの記事・コラムを多数執筆。


複数の条件や時間指定決済などFXの戦略的な決済方法で利益の確率を上げよう

FXの取引注文には指値・逆指値注文のようなどの証券会社にもある注文方法とは異なり、証券会社によって独自の注文方法が存在します。
今回は各種注文方法についての解説、及びどのようなシチュエーションで有効な注文方法なのかを手法例について解説していきます。
この記事を読むことで、どのようなパターンを想定して利益を狙っていくかについて理解が深まります。ご自身のトレードの参考にしてください。

特殊な注文方法で戦略の幅を広げよう

特殊な注文方法で戦略の幅を広げよう

今回解説を行う注文方法は汎用性は高くはありませんが、かゆいところに手が届く注文方法が多いです。解説とは別に実際のシチュエーションにおいての使用例も後述します。

ポジション保有前(条件に達していない)の注文

1つ目は「トリガー注文」と呼びます。注文方法としては2つの価格を設定します。ある条件を達成することでもう1つの注文を出すことができます。

ポジション保有直前の注文

次に、エントリー直前に有効な注文方法「ストリーミング注文」「pip差決済注文」です。


ポジション保有中の注文

最後は、ポジションを決済するために使用する「トレール注文」「時間指定成行注文」「一括成行決済」の3つです。

ポジション保有前(条件に達していない)の注文

ポジション保有前(条件に達していない)の注文

トリガー注文の解説と使用例

トリガー注文は、文字通りきっかけ(トリガー)になる価格に到達すると新規で指値(逆指値)注文が有効になる注文方法です。

ここで注意したいことは、トリガー注文が可能な証券会社で、「きっかけになる価格になると「成行注文」を行う」場合は今回扱うトリガー注文とは異なるということです。また、この注文はエントリーまでを行う注文であり、決済の指定は別途行う必要があります。あくまでも一時的に相場を見られない場合の補助注文としてご活用ください。

具体的には、アップトレンドが継続すると分析した場合、前回の高値を更新した価格をトリガー価格に設定し、エントリー価格を前回の安値より高い位置に設定することでトレンド継続に乗り遅れることなくエントリーを狙える注文方法です。

別の使い方として、レンジ(ボックス)相場からでアップトレンドに転換すると判断した時、レンジ幅の上限より高い価格にトリガーを設定し、新規指値注文価格をレンジ幅の下限近辺に設定することで、トレンド変換に乗り遅れることなくエントリーを狙うことができます。

エントリー直前の注文

エントリー直前の注文

ストリーミング注文の解説と使用例

ストリーミング注文とは、成行注文に取引可能なスプレッドの値を設定し、ストリーミング注文時に設定したスプレッドの値を超えている場合は注文をキャンセルする方法です。

指数発表時など相場が大きく動いている時にはスプレッドが広がる傾向にあります。その時に通常の成行注文を行うと予想より大きなスプレッドで注文が確定してしまう可能性があります。そのようなことが無いように許容できるスプレッド幅をこちらで設定する時に有効な注文方法です。

この時に注意するのは、許容するスプレッドを超える場合はキャンセルされますので、スプレッドが広がっている相場であれば注文が通らない可能性があることです。

pip差決済注文の解説と使用例

pip差決済注文とは、あらかじめ指定したpip差で決済注文を発注する注文方法のことです。

スキャルピング取引やシステムトレードなどエントリー価格に対して決済の価格が決まっている場合に有効な注文方法です。

ここでの注意点は、決済価格はエントリー価格にあまりにも近い場合は設定することができないことです。

ポジション保有中の注文

ポジション保有中の注文

トレール注文

トレール注文とは、買いのポジションであればレートが上がると逆指値価格も追いかけるように上がる注文方法です。現在の価格と一定の距離を追いかけていきますが、損失側での価格は更新しません。

具体的にはアップトレンド中の買い注文に対して50pipsのトレール注文(例えばドル円であれば50pipsは50銭です)を設定した場合は、設定した後の高値より損失側に50pips逆行すると逆指値(決済)が確定します。

こちらの注文は理論上アップトレンドの最後の高値付近まで利益を追うことができます。相場の格言にある「売り買いは腹八分」を具体化した注文方法になります。ただ、設定するpips数が少ないとちょっとした反落で決済されてしまうため安値の更新の前に決済されてしまい、大きく設定すると中々決済はされませんがその分利益を狙えないこともあります。目安としては直近の高値から安値の幅を参考に行うとよいでしょう。

時間指定成行決済の解説と使用例

時間指定成行決済とは決済注文ですが、指定した時間になると成行決済を行う注文です。

具体的には、週をまたぐトレードは行いたくない場合や、指数発表で大きく動くと判断した場合に、その手前で決済を行いポジションをフリーにしてリスクを回避するために使用します。

この注文を行う注意点としては、事前に指定した時間になるとどのような価格であっても決済されてしまうので利益になるのか損失になるのかはっきりしないことです。使いどころが難しい注文方法かもしれません。

一括成行決済

一括成行決済とは、保有している複数のポジションを一括で決済する注文です。

具体的には価格の高騰(下落)時に全てのポジションで急いで決済を行い、これ以上損失が膨らまないようにする場合に使います。

実際のトレードを行う時は、急騰(急落)相場の場合は大きく価格が上下し、大きな反発が発生する可能性がありますので価格の急変動時には慌てずに相場をよく見て対処しましょう。

また、メタトレーダーなどのインジケーターではプラスポジション(マイナスポジション)のみ全決済などを行える注文もあります。

実際に取引してみよう

実際に取引してみよう

各種注文方法について解説しましたが、実際のトレード時にどのように組み合わせていくのかについての一例を挙げます。

今回の説明はあくまで一例です。未来の価格を決定するものではありませんので、あくまでもご自身のトレードの参考としてご覧ください。

トレード例

今後の相場を分析した時に「現在はレンジ(ボックス)相場だが、高値を更新することでアップトレンドに転換するだろう」という相場観を持った場合に、トリガー注文にて過去の高値寄り上の位置にトリガー価格を設定し、過去の高値と安値の中間程度に逆指値での新規注文を設定します。

その後、思惑通りにエントリーを行うことができ、分析通りアップトレンドが始まったとします。次は過去の高値から安値の幅が60pips程度あることをチャートから判断し、60pipsのトレール注文を出します。あとは注文が確定するまでこのポジションについては定期観測する必要がないため、新規で注文ができるチャートを探します。

この場合複数のポジションを保有していますが、今日の夜に重要な指数発表があり、相場が予想以上に荒れる(損失になる可能性が高い)と判断したため、指数発表の30分前には全てのポジションを決済し、指数発表に挑むことにします。

予想通り指数発表の影響で価格が激しく上下していますが、反発を予測した価格付近でストリーミング注文とpip差決済注文を組み合わせ、許容できるスプレッド内での取引を行います。

このように様々な注文方法を組み合わせることでご自身のトレードの補助を行うことができます。

デモトレードがおすすめ!

今回説明したトレード方法は、ある程度相場を経験した方を対象とした内容となっています。全くの初心者もしくは今回説明した注文方法を使ったことがない方には、まずデモトレードをおすすめします。

なぜかというと、デモトレードでの取引を行うには実際に入金する必要がないためです。また、注文自体を行ったことがない場合は指値と逆指値を間違えた、などケアレスミスが起きた時に資金へのダメージがないためです。

ほかにも証券会社によって用意している注文方法も異なるため、まずはデモ口座を開設して自分が行いたい注文方法などがあるかについても確認するとよいでしょう。

オススメ証券会社5選

オススメ証券会社5選

どれだけ勉強してもトレードを行うには証券会社に口座の開設が必要です。

FXでは銀行のように何社でも口座の開設は可能ですので、短期売買向けや中長期向けのトレード用、低資金用の口座など用途別に分けてトレードを行い資産へのリスクを減らすことも可能です。

ここではできるだけ特徴が被らないようにチョイスした口座を紹介いたします。ご自身のトレードとの相性がよい証券会社を選定してみましょう。

松井証券(MATSUI FX)

松井証券が運営しているMATSUI FXの特徴は1通貨単位からの取引が可能なことです。他の証券会社は1000通貨単位での取引が最低であることがほとんどです。

しかし、松井証券FXではドル円であれば1通貨単位に必要な証拠金が約100円で取引可能です。

また、FXの証券会社として運営を行う前に株取引での長期の実績がありますので企業としての安心面も高いです。

さらにスマホでの取引もできます。スマホ上で今のチャートを確認しエントリーも可能で、市場で起きているニュースなどの情報も入手することができます。

加えて、松井証券FXのLINE公式アカウントに登録することでマーケットニュースや為替レートの確認も可能です。

MATSUI FX(松井証券)

外為オンライン

外為オンラインの強みは高い情報力です。毎日の分析やディーラーによる今週の相場予想、有名アナリストの相場観情報、外為オンラインに所属するアナリストによる実践チャート分析方法など、初心者・中級者に向けて多くの情報を提供しています。

ファンダメンタルズ分析において情報の収集ツールは多い方がより有利に働きます。

外為オンライン独自の自動売買システムも利用が可能です。条件に応じて最大15万円のキャッシュバックを受け取ることができます。ただし、自動売買には90日の無料期間を終えると取引に応じて手数料がかかりますので注意が必要です(2021年12月現在)。

外為オンライン

GMOクリック証券

GMOクリック証券はFX取引高No.1の実績を誇っています。取引実績の高さはその分信頼があると考えることができます。スプレッドもドル円で最狭0.2銭であり、スワップポイントも業界内では高水準です(スワップポイントの出金も可能です)。

注文を行うツールは自社開発品で、PC(デスクトップ用)の「はっちゅう君FX」では取引・チャート・通貨ペア(気配値)・ニュースが画面に表示されており、注文を行うために必要な情報を一度に確認することができます。

スマホ版でもスワイプで切り替えることができスムーズな発注が可能です。

GMOクリック証券

インヴァスト証券

インヴァスト証券の強みは自動売買を利用できることと、自分でルールを設定した独自の自動売買を作ることができる点です(自動売買での取引には手数料が必要です)。

操作方法や困ったことがあれば電話やメールでのサポートも受け付けているため、もしもの時も安心です。入金に対してもほぼ24時間手数料なしで受け付けています。

トライオートFX

DMM.com証券

DMM.com証券は、口座開設数急速に伸びている勢いのある証券会社です。

取引におけるスプレッドも業界では最狭レベルで、取引量に応じて「取引応援ポイント」が別途付与されるため、実質的なコストはさらにお得です。

口座開設の申請はスマホから写真で必要な書類を送信することで完了します(最短で1時間)。そのため当日からの取引も可能です。サポートに至っては電話やメールはもちろんLINEでの問い合わせにも対応しています。

DMM.com証券

まとめ

今回の記事はいかがでしたか?ご自身のトレードの補助を行う注文方法についての解説と、トレードの参考例を解説しました。今回の記事で押さえてほしい内容は以下の通りです。

  • 注文を行う種類は、大きく「エントリー前」「エントリー直前」「エントリー後(ポジション保有中)」の3通りがある
  • トリガー注文はトレンドの継続が確認できる位置にトリガーを設定することで無用なエントリーを回避できる
  • ストリーミング注文では想定外のスプレッドのエントリーを回避できる
  • pip差決済注文ではシステムトレード等決済の値が決まっている場合の手間を省くことができる
  • 時間指定成行決済では価格に関係なく指定した時間で取引を行う
  • 一括成行決済は緊急に全てのポジションを同時に決済するための注文方法
  • 注文はそれだけでエントリーから決済まで行なえないものもあるので、複数の注文方法を組み合わせることでリスクを最小限に収める
  • 注文自体を行ったことがない場合はデモトレードで注文方法自体を練習する