記事の監修者

伊藤圭佑

資産運用会社に勤める金融ライター。証券アナリスト保有。 新卒から一貫して証券業界・運用業界に身を置き、自身も個人投資家としてさまざまな証券投資を実施。キャリアにおける専門性と個人投資家としての経験を生かし、経済環境の変化を踏まえた投資手法、投資に関する諸制度の紹介などの記事・コラムを多数執筆。


FXを始めたあなたは初心者とはいえ、一人の相場師として相場を分析する必要があります。今回の解説は相場分析の方法であるファンダメンタルズ分析を行う時の基本的な考え方とエントリーにどのように反映するのかについての解説を行います。

この記事を見ると、ファンダメンタルズの基本的なとらえ方と基本的な分析の方向性について理解ができます。

なぜファンダメンタルズ分析が有効なのか?

なぜファンダメンタルズ分析が有効なのか?

テクニカル分析と異なり、ファンダメンタルズ分析では「いつまでに」「どの価格に」なるのか?という分析方法ではなく「風が吹けば桶屋が儲かる」という言葉もあるように、この指数の発表がどこに影響するのかを予測します。

ファンダメンタルズの分析はFXだけではなく、株式市場でも通用する分析方法です。参考にする指数等は異なりますが、基本的にはその会社の収支が安定し、今後も発展する可能性が高いものを見るために行う分析方法です。

対になる分析としてテクニカル分析と呼ばれるものもあり、価格にはすべての要素が含まれているという前提で過去の価格から未来の価格を予想する分析方法です。

例えば、ある市場の規模が去年が1億円、今年が2億円であった場合、来年は3億円になるのではないか?という分析方法です(実際の分析ではもっと様々な方法で分析を行います)。

ファンダメンタルズ分析の実例

FXとは異なりますが、日本の株式市場の実例を挙げると2013年に日本でオリンピックの開催が決定した瞬間にホテル関連銘柄が軒並み高値をつけました。

ここではオリンピックが日本で決定、選手や試合会場近辺のホテルが満室になる、そのためホテル関連銘柄に投資が集まる、ということを連想して分析を行ったものです。

ファンダメンタルズ分析の基本的な方向性は指数が悪いから価格が下がる、といった要因から予測が直結するのではなく、中長期的に成長していく連想をした分析を行います。

重要なのは「経済指数」「政策(金融政策)」「要人発言」「国自体の地政学リスク」

ファンダメンタルズ分析で何が重要なのか?については大きく以下のポイントが挙げられます。

政府が発表する各種経済指数や金融庁が発表する金融政策、要人の発言、国自体の地政学リスクなどから将来の予測を立てる分析となります。

ここで注意したいことは指数発表などでマイナスの発表があると高騰(下落)するわけではなく、前回の発表時との差や市場の予測と異なるほど高騰(下落)する可能性が高くなることです。

経済指数

経済指数

雇用統計

雇用統計は毎月第一金曜日の日本時間で夏時間で21時30分(冬時間で22時30分)に発表されるアメリカの個人消費に関する10項目の数値です。

なぜ雇用統計が重要なのかというとアメリカの消費の約70%は個人の消費によって支えられているため今後個人の消費額が上向きになるのか、下向きになるのかが今後のアメリカの景気を左右するからです。雇用統計には10項目の指数発表があり、中でも為替レートに大きな影響を与えるのは「非農業部門雇用者数」と「失業率」です。

非農業部門雇用者数

非農業部門雇用者数とは、農業部門を除く産業で民間企業や政府に雇用されている人の数とその増減をまとめたものです。単純に働く人が多ければそれだけ個人消費が多くなるので、消費が上向きになるなどの指針としてみることができます。

失業率

失業率とは、アメリカ国内の失業者数(職がなく、求職活動をしている人)を労働人口(15歳以上の働く意欲のある人)で割って算出した値です。例えば、前回よりも値が悪化しているのであれば働ける人が働けなくなっているため、今後(最低でも次発表まで)は個人消費が下がっていくだろう、という見方ができます。

実際の分析については前回の発表からの変化を見ることで未来の消費を予測します。例えば今回の失業率が8%です。発表があった場合8%が高いのか?低いのか?については前回が10%であれば良くなっている、と判断することができますし、前回が6%であれば悪化していると判断できます。

経済成長率

経済成長率とは、文字通り経済がどのぐらい成長したのかを示す数値で一般的には国内総生産(GDP)の値を参考にします。

各国から発表される国内総生産の値やIMF(国際通貨基金)が発表する世界全体での実質GDPなど、市場の予測値と実際の発表の数値との乖離があると為替レートにも影響します。

実際の分析例では、まずどの国にも今年の経済成長率目標というものが存在し、その値に対して現在はどの程度になっているのか?という所と、IMFが発表する世界の経済成長率との乖離がどのぐらいあるのか?という2つの点から今後を予想することがポイントとなります。

機械受注統計

機械受注統計とは、日本の内閣府が毎月10日ごろに公表する指標です。雇用統計がアメリカでの経済指標なのに対して、機械受注統計は日本の指標です。各企業が製造業者に対し設備投資のための機械を発注した段階で計算され、設備が整い生産が始まる約半年から一年後の生産増減を見るために有効な指数です。

指数の見方としては、前回より数値が高くなった場合は半年から1年後には商品の生産数が増えるため、景気が今よりは良くなるだろうと見ることができます。

政策(金融政策)

政策(金融政策)

FOMC

政策金利についてはFOMCの会議で決定されます。正式名称はFederal Open Market Committee(連邦公開市場委員会)と言い、アメリカの金融政策の今後について話し合われる会議です。

6週間おきに現地時間の火曜日に行われ、会議が終わった約3週間後に発表が行われます(日本時間では深夜から早朝にかけての発表が多いです)。

主に発表される内容は、アメリカの現在の経済状況と今後のアメリカの政策金利(FFレート)についてです。

政策金利の決定は会議の中で投票が行われ、〇対〇で今回は可決(否決)されました、という情報もでます。例えば、金利の変更が前回も今回も否決されたが、前回より否決の数が減ってきた場合はそろそろ金利の上昇が起こるのではないか?ということにも注意が必要です。金利については政策の発表時以外にも要人の発表時に含みのある表現をした場合に市場参加者が独自に判断し市場が反応する場合もあるぐらい注目度が高い要素となります。

金融緩和等

政府は安定的な成長を目指し、景気が悪くならない(バブル景気のように良くなりすぎない)ように金融緩和策などで調整を行います。

例えば、景気が悪くならないように政策金利を下げることも金融緩和の1つの策です。他にもマネタリーベース(日本円であれば日本銀行が世の中に直接的に供給するお金の量)を増やす等、市場にお金を増やすことで経済の発展を期待します。

要人発言

要人発言

要人の発言から相場参加者は未来を予測する

指数の発表だけではなく、金融政策に関係する要人の発言がきっかけとなって為替レートが大きく動くこともあります。

例えば、日本の政策金利の変更時期がいつになるのかに注目が集まっている中、具体的な日程についての発表がない時に日銀の総裁が「そろそろ金利について再検討する必要がでてきた」等の発言をしたことで市場参加者は「そろそろ金利の変更が起きるのではないか?」と反応し、実際に政策金利の変更が無くても大きくレートが動くことがあります。

 ※通常、景気が悪い場合には政策金利を下げることで個人消費を促し景気を回復させ、景気が良い(良すぎる)場合は金利を上げることで過剰な景気の上昇を抑え安定的に経済を発展させるために金利の調整が行われます。

地政学リスク

地政学リスク

元来国に存在する資源

ファンダメンタルズ分析の基本的な情報となるのは元来その国に存在する資源や国際情勢の変化で、それによって為替レートも変化していきます。

例えば、現在世界のエネルギー源の多くは原油から作られています。そのためアメリカやロシア、サウジアラビアなどの原油産出国から原油が発掘され続ける限りその国の経済活動は安定します。

日本であれば原油などの資源に乏しいですが、モノづくりをしてより高性能の商品を輸出することで経済を発展させているため、生産に必要な材料や原油などが予定通りに輸入できている間は経済活動は順調であると予測できます。

 

テロや戦争、自然災害など突発的、定期的に発生する事象

他にもテロや戦争などが起きそうになるとその国から脱出する人も増え、人口減少などにより国力が低下するため経済は不安定な状況であると考えます。

また、台風やハリケーン、河川の氾濫などの災害も経済活動の停滞を示します。ただ、台風や地震が毎年発生することが経済的に不利な状態となる決定的な要素とは言えず、台風に対して予防策がある、地震などが発生し他国からの支援などがあり、すぐに復興が可能であるなどの条件がある場合はマイナスの要因ではありません。

実例を挙げると東日本大震災が起きた後の日経平均株価は上昇しています。

オススメ証券会社5選

オススメ証券会社5選

どれだけ勉強してもトレードを行うには証券会社に口座の開設が必要です。

FXでは銀行のように何社でも口座の開設は可能ですので、短期売買向けや中長期向けのトレード用、または低資金用の口座など用途別に分けてトレードを行い資産のへのリスクを減らすことも可能です。

ここではできるだけ特徴が被らないようにチョイスした口座を紹介いたします。ご自身のトレードとの相性がよい証券会社が選定できることをお祈りしています。

松井証券(MATSUI FX)

松井証券が運営しているMATSUI FXの特徴は1通貨単位からの取引が可能なことです。他の証券会社は1000通貨単位での取引が最低であることがほとんどです。

しかし、松井証券FXではドル円であれば1通貨単位に必要な証拠金が約100円で取引可能です。

また、FXの証券会社として運営を行う前に株取引での長期の実績がありますので企業としての安心面も高いです。

さらにスマホでの取引もできます。スマホ上で今のチャートを確認しエントリーも可能で、市場で起きているニュースなどの情報も入手することができます。

加えて、松井証券FXのLINE公式アカウントに登録することでマーケットニュースや為替レートの確認も可能です。

MATSUI FX(松井証券)

外為オンライン

外為オンラインの強みは高い情報力です。毎日の分析やディーラーによる今週の相場予想、有名アナリストの相場観情報、外為オンラインに所属するアナリストによる実践チャート分析方法など、初心者・中級者に向けて多くの情報を提供しています。

ファンダメンタルズ分析において情報の収集ツールは多い方がより有利に働きます。

外為オンライン独自の自動売買システムも利用が可能です。条件に応じて最大15万円のキャッシュバックを受け取ることができます。ただし、自動売買には90日の無料期間を終えると取引に応じて手数料がかかりますので注意が必要です(2021年12月現在)。

外為オンライン

GMOクリック証券

GMOクリック証券はFX取引高No.1の実績を誇っています。取引実績の高さはその分信頼があると考えることができます。スプレッドもドル円で最狭0.2銭であり、スワップポイントも業界内では高水準です(スワップポイントの出金も可能です)。

注文を行うツールは自社開発品で、PC(デスクトップ用)の「はっちゅう君FX」では取引・チャート・通貨ペア(気配値)・ニュースが画面に表示されており、注文を行うために必要な情報を一度に確認することができます。

スマホ版でもスワイプで切り替えることができスムーズな発注が可能です。

GMOクリック証券

インヴァスト証券

インヴァスト証券の強みは自動売買を利用できることと、自分でルールを設定した独自の自動売買を作ることができる点です(自動売買での取引には手数料が必要です)。

操作方法や困ったことがあれば電話やメールでのサポートも受け付けているため、もしもの時も安心です。入金に対してもほぼ24時間手数料なしで受け付けています。

トライオートFX

DMM.com証券

DMM.com証券は、口座開設数急速に伸びている勢いのある証券会社です。

取引におけるスプレッドも業界では最狭レベルで、取引量に応じて「取引応援ポイント」が別途付与されるため、実質的なコストはさらにお得です。

口座開設の申請はスマホから写真で必要な書類を送信することで完了します(最短で1時間)。そのため当日からの取引も可能です。サポートに至っては電話やメールはもちろんLINEでの問い合わせにも対応しています。

DMM.com証券

まとめ

まとめ

今回の記事では、ファンダメンタルズ分析についての解説を行いました。相場の分析において指数発表の数値はあくまで判断材料の一つです。

ファンダメンタルズ分析は中長期的な視野で相場を分析していきますので昨日今日から始めた方には難しいとは思います。しかし、長期的に知識をためることで長い期間の相場で利益を上げることが可能なため、最低でもこの記事で紹介した内容や考え方をご自身のトレードに生かしてください。今回の記事で押さえていただきたい内容は以下の通りです。

  • ファンダメンタルズ分析は「いつまでに」「いくらになる」などの分析ではない
  • 株式市場でもファンダメンタルズ分析の考え方は流用できる
  • 指数発表が悪いから経済が悪化する、という視点ではなく今後どちらに動くのか?についての視野を持つ(例えば前回の結果ががもっと悪い数値の場合は改善しているととらえることができるため相場参加者はポジティブなニュースとしてとらえる)
  • アメリカの雇用統計やFOMCの発表などは為替レートが大きく動く可能性が高いため、注意が必要
  • その国自体の地力をみるにはその国に対しての地政学リスクをベースに指数の発表を参考にする・自然災害などでは他国からの支援などもあり、復興までの予想が立つが、戦争やテロなどの要因では今後の見通しが立ちにくいためネガティブなものであると見る
  • 自然災害などでは他国からの支援などもあり、復興までの予想が立つが、戦争やテロなどの要因では今後の見通しが立ちにくいためネガティブなものであると見る