記事の監修者

伊藤圭佑

資産運用会社に勤める金融ライター。証券アナリスト保有。 新卒から一貫して証券業界・運用業界に身を置き、自身も個人投資家としてさまざまな証券投資を実施。キャリアにおける専門性と個人投資家としての経験を生かし、経済環境の変化を踏まえた投資手法、投資に関する諸制度の紹介などの記事・コラムを多数執筆。


「ファンダメンタルズ分析」とは

「ファンダメンタルズ分析」とは

ファンダメンタルズ分析はその国の経済成長率や雇用統計、物価指数、国際収支などの経済指標を使用して相場を予測する分析方法のことで、「テクニカル分析」に対する言葉として使われます。

FXだけでなくさまざまな金融商品で重要視されている

 「ファンダメンタルズ分析」はFXだけでなく、株式投資や仮想通貨にも利用されています。株式投資や仮想通貨も同様にその会社(通貨)の経済データ(景気動向や財務状況など)をもとに分析を行います。

「ファンダメンタルズ分析」の特徴

「ファンダメンタルズ分析」の特徴

「ファンダメンタルズ分析」の特徴は大きく分けて3つあります。それぞれについて、これから詳しく説明していきます。

長期的な運用に向いている

「ファンダメンタルズ分析」は、その国および企業の景気動向や財務状況を参考にするので、長期的な運用に向いています。発行元の国の経済状況を理解することで、その国の法定通貨の価値の推移を予想できることは当然のことと言えるでしょう。

株式投資でも活用される

「ファンダメンタルズ分析」は、株式投資にも応用することが可能です。その株のPBR(純資産倍率)、PER(株価収益率)、PCFR(株価キャッシュフロー倍率)、理論株価などをもとにその株の株価が割高なのか、割安なのかを判断できます。この各指標の概要については割愛します。

予想通りに動かないケースも多い

為替レートを動かす要因は「金利」「金融政策」「景気動向」「市場心理」「投資収支」「物価」「貿易収支」「地域紛争や自然災害など」と多く存在します。短期的には急落や急上昇が起こることも多々あるので、「ファンダメンタルズ分析」を行うときは、長期的なスタンスで臨み、常にニュースなどでその国の情報をチェックするようにしましょう。

「ファンダメンタルズ分析」と「テクニカル分析」の比較

「ファンダメンタルズ分析」と「テクニカル分析」の比較

FXの分析手法は主に2つあり、「ファンダメンタルズ分析」「テクニカル分析」と呼ばれるものです。「テクニカル分析」とは、チャートという相場変動のグラフを用いることで、これからの値動きを予想する手法です。

「テクニカル分析」は相場を分析する「トレンド系」と、買われすぎや売られすぎを分析する「オシレーター系」があります。単純移動平均線やボリンジャー・バンドなどが「トレンド系」、RSIやMACDなどが「オシレーター系」に分類されます。「テクニカル分析」は「ファンダメンタルズ分析」とは異なり、短い期間で判断することができるので、初心者にはおすすめです。  

では、「ファンダメンタルズ分析」と「テクニカル分析」のどちらがよいのでしょうか。両方を極めるに越したことはないですが、長期トレードを想定するのであれば「ファンダメンタルズ分析」、スキャルピングやデイトレードといった短期的なトレードを想定するのであれば「テクニカル分析」が有利と言えるでしょう。

「ファンダメンタルズ分析」が長期トレードに向いている理由は為替相場のトレンドを決めるのは、テクニカル的な要因ではなく、主にファンダメンタルズ的な要因だからです。

テクニカルトレーダーは、各テクニカルポイントを意識してトレードを行うため、短期的には為替相場がそれらのテクニカル的な要因で動くことはあり得ます。例えば、何度も作用しているレジスタンスラインがあったとし、そのラインで反転したり、またはブレイク後に一気に上昇したりするのは、テクニカル的な要因が為替市場で意識されているがために起こる現象です。

しかし、テクニカル的なサインが相場の大きな流れ、つまりトレンドを決めることは少ないと言っていいでしょう。なぜなら、為替市場の主要プレイヤーである、機関投資家は、テクニカル的要因だけで巨額の資金を動かすことはないからです。

ファンダメンタルズ分析を行うには

ファンダメンタルズ分析を行うには

前述の通り、「ファンダメンタルズ分析」を行うにはいくつかのファンダメンタルズ的要因を考慮しなければいけません。ここからは、その要因について詳しく説明していきます。

金融政策

「金融政策」とは、その国の中央銀行が行う金融に関する経済政策のことです。直近の経済情勢から「金融緩和」を行うか、「金融引き締め」を行うかの判断を行い金融政策を実施します。

為替相場では、特に「政策金利」の調整が大きく影響します。政策金利は景気が過熱しすぎた場合には金利引き上げ(=利上げ)を行い景気を冷まそうとし、反対に景気が後退する場面では金利引き下げ(=利下げ)を行い景気の失速を防ごうとします。近年は資産買い入れなどの量的緩和も重要な意味を持ちます。

金融政策
出典元:Bloomberg

経済指標

「経済指標」とは、「景気動向指数」や「国内総生産(GDP)」などといった公的機関が公表しているデータの総称で、世の中のお金や財産の動きを表したものです。経済指標にはさまざまなものがあり、それらは大きく「ハードデータ」と「ソフトデータ」に分けられます。「ハードデータ」は、生産量や売り上げなどの実測データをまとめた指数で、これまでの経済活動の結果を見るものです。国内総生産(GDP)や物価指数などがこれにあたります。一方で「ソフトデータ」は経営者や労働者に対するアンケート調査から導き出す指数で景気指数などがこれにあたります。

国際情勢(地政学的リスク)  

 国際的に世界各国がどのような状態になっているか、どのような国際的な出来事が起き、変化、動きがあるかを調べることも重要です。国際情勢が悪化するとその国の通貨の為替レートが下落し、国際情勢が安定化するとその国の通貨の為替レートが上昇する傾向があります。

要人の発言

国の経済政策を担っている大臣や中央銀行総裁の発言が影響して相場が大きく動くことがあります。為替レートに言及する場合はもちろんのこと、景気の現状や見通し、今後の金融政策について発言した時は為替レートの変化に注意することも重要です。

重要な指標、イベント

重要な指標、イベント

ここからはFXにおいて特に重要とされる指標について詳しく説明していきます。

雇用統計

米国の経済指標の中でも、特に重要視されている指標です。 全米約16万の企業や政府機関の約40万件のサンプルを対象に調査し、失業率、非農業部門就業者数、週労働時間、平均時給、建設業就業者数、製造業就業者数、金融機関就業者数などの項目を発表します。中でも特に失業率が注目されています。 FOMC(米連邦公開市場委員会)の金融政策の決定においても重要視される指標の1つです。

FOMC政策金利発表

FOMCとは、Federal Open Market Committee(米連邦公開市場委員会)の略で、アメリカの金融政策を決定する会合のことです。FOMC政策金利発表は年間計8回行われ、政策金利が発表されます。FOMCの政策金利のほかに声明文の発表や会見も行われるので、その結果がマーケットの予想と違う場合は、為替レートが大きく変動する場合があります。米ドルは世界でも重要な位置づけとされるため、重要な指標と言えます。

FOMC議事録公表

先ほど説明したFOMC(米連邦公開市場委員会)の議事要旨が会合終了から3週間後に公表されます。FOMC結果発表時に出される声明では基本的に全体としての見解が示されていますが、議事録では各委員の意見が示されており、今後の会合の動向を探る上で重要な材料として利用されます。あくまで要旨であって審議内容の全てが盛り込まれた全記録ではないことに注意が必要です。全記録は会合から5年後に公表されます。

日銀金融政策決定会合

日本銀行では年間計8回、最高意思決定機関である政策委員会が行われます。日銀金融政策決定会合とは、その会合のうち金融政策に関する事項を決定するものをいいます。議事内容は(1)金融市場調節方針、(2)基準割引率、基準貸付利率および預金準備率、(3)金融政策手段(オペレーションにかかる手形や債券の種類や条件、担保の種類等)、(4)経済・金融情勢に関する基本的見解等の4つがあります。議事要旨は、次回の決定会合(ただし、臨時の決定会合の議事要旨につき次回の決定会合に提出することが困難である場合には、次々回の決定会合)で承認のうえ、その3営業日後に公表されます。議事録は、各会合から10年を経過した後に公表されます。

企業短期経済観測調査(日銀短観)

統計法に基づいて日本銀行が行う統計調査であり、全国の企業動向を把握し、金融政策を適切に運営することを目的としています。全国の企業を対象に、年間計4回実施しています。日銀短観では、企業が自社の業況や経済環境の現状・先行きについてどうみているか、といった項目に加え、売上高や収益、設備投資額といった事業計画の実績・予測値など、企業活動について調査しています。短観は、国内外で利用されており、海外でも”TANKAN”の名称で広く知られています。

欧州中央銀行(ECB)政策金利

欧州中央銀行(European Central Bank)とは、ユーロ圏における金融の最高意思決定機関です。2週間ごとに開催され、月始めの理事会で政策金利が決定されます。ユーロは世界でも重要な位置づけとされるため、重要な指標と言えます。

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まとめ

まとめ

今回は「ファンダメンタルズ分析」と「テクニカル分析」について比較をしてみました。

投資初心者の方は「ファンダメンタルズ分析」はなかなか難しいと思いますが「テクニカル分析」よりも有利な点はいくつもあるので「ファンダメンタルズ分析」を使用することをおすすめします。今回の記事で押さえてほしい内容は以下の通りです。

  • ファンダメンタルズ分析はさまざまな経済指標を使用して相場を予測する分析方法のこと。
  • 「ファンダメンタルズ分析」は、対象の国および企業の景気動向や財務状況を参考にするので、長期的な運用に向いている。
  • ファンダメンタルズ分析を行うためには、主に「金融政策」、「経済指標」、「地政学的リスク」、「要人の発言」を把握する必要がある。・ファンダメンタルズ分析を行う上で、特に重要な指標やイベントとして、「雇用統計」、「FOMC政策金利発表」、「FOMC議事録公表」、「日銀金融政策決定会合」、「企業短期経済観測調査(日銀短観)」、「欧州中央銀行(ECB政策金利」がある。
  • ファンダメンタルズ分析を行う上で、特に重要な指標やイベントとして、「雇用統計」、「FOMC政策金利発表」、「FOMC議事録公表」、「日銀金融政策決定会合」、「企業短期経済観測調査(日銀短観)」、「欧州中央銀行(ECB政策金利」がある。