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クレジットカードの仕組みを解説!国際ブランド・イシュア・アクワイアラとは?

この記事では、クレジットカードの仕組みについて分かりやすく説明します。

私たちはクレジットカードをお店やネット決済で利用するだけですが、実はさまざまな会社が関わっています。

それぞれの会社の収益構造や、クレジットカード業界自体の動向なども合わせて見ていきましょう。

目次

クレジットカード業界内の役割・立ち位置

クレジットカード業界内で関わっている会社、個人は、消費者であるカード会員も含めて大きく分けて以下の6つに分類されます。

  • 国際ブランド
  • イシュア
  • 処理センター
  • アクワイアラ
  • 加盟店
  • カード会員

国際ブランドとは

国際ブランドとは、国際的な決済網を持ったクレジットカードブランドを指します。

具体的には、クレジットカードに記載されているVisaMastercardJCBなどを国際ブランドと呼びます。

主な役割は下記の通りです。

  1. 決済ネットワークの運営:
    世界中の加盟店で使えるように電子決済網の整備、提供などを行う。
  2. ライセンス業務の管理:
    イシュアやアクワイアラにライセンスの発行を行う。これに伴うライセンス料が、国際ブランドの収益源の一つ。
  3. 国際ルールの作成・運営:
    ブランド価値を高め、安全・安心に使えるようなルール作りとその指導運営。

主要国際ブランドとその特徴は、以下の通りです。

名称 特徴
Visa 世界最大の決済網を持ち、会員数、加盟店数、知名度ともに世界最大。
Mastercard Visaと並び世界規模の決済網を持つ。とくに欧州ではVisa以上の強い決済網を持っていると言われている。
JCB 日本発で唯一の国際ブランド。日本国内やハワイでは抜群の決済網と知名度を持つ。
American Express ステータス性の高さで有名。高級ホテルやレストランでの優待サービスなどが充実。
Diners Club アメックスと並ぶステータス性の高さ。とくにレストランでの優待サービスには定評がある。
銀聯 中国中央銀行主導で発行されており、今最も成長率の高い国際ブランド。決済網は中国国内のみにとどまらず、広範囲になりつつある。
discover アメリカのディスカバー・フィナンシャル・サービスが展開。日本では発行されていません。2008年の買収で、前出のDiners Clubを傘下に置いている。

クレジットカードの発行形態には種類が2つあります。

  • プロパーカード:
    国際ブランドが自社発行するカード
  • 提携カード:
    イシュアとライセンス契約をして発行するカード

VisaやMastercardは、ブランドライセンスを提供するだけで、クレジットカードは自社発行していません。

よって、VisaやMastercardのロゴがついたクレジットカードはすべて提携カードです。

イシュア

イシュアとは、国際ブランドとライセンス契約を結び、提携クレジットカードを発行している発行会社を指します。

たとえば三井住友カードの場合、国際ブランドはVisaイシュアが三井住友カードです。

イシュアという名称は、英語で「発行者」を意味する「issuer」から来ています。

カード会員が利用した代金をアクワイアラへ立替払いしたり、カード会員の口座からお金を引き落としたりするのもイシュアです。

その他にも、新規会員の募集、ポイントサービスの管理運営、毎月の利用明細の発行などもすべてイシュアの仕事です。

カード会員の立場からイメージしやすいクレジットカード会社の役割の大半は、「イシュア」が果たしているわけです。

イシュアの大手一覧表

日本国内だけでも多数のイシュアが存在しています。

銀行系や信販系、自動車系など多数ありますが、主要な会社は下記の通りです。

種類 会社名
銀行系 三井住友カード
SMBCファイナンスサービス
三菱UFJニコス
T&E系 American Express International
信販系 ジェーシービー
オリエントコーポレーション
ジャックス
ポケットカード
アプラス
ライフカード
ユーシーカード
自動車系 トヨタファイナンス
日産フィナンシャルサービス
流通系 クレディセゾン
イオンクレジットサービス
楽天カード
エポスカード
UCS
高島屋ファイナンシャル・パートナーズ

処理センターとは

クレジットカードを利用した取引は、1取引ごとに加盟店の端末を経由して計算・集計・統合・転送されています。

これが全世界単位で24時間365日行われており、膨大なデータ処理が休むことなく行われています。

膨大な量のデータ処理を休まず行い続けるには、データ処理の専門会社でないととてもできないのが現状です。

そこで、処理センターは、加盟店管理会社(アクワイアラ)とカード発行会社(イシュア)の決済業務のデータ処理を行っています。

加盟店の端末から送付された取引データは、瞬時にカード利用者の情報と照合・計算・集計が行われ、決済の可否が判定される流れです。

なお、集計後の取引データはイシュアとアクワイアラに送付されています。

処理センター大手一覧表

クレジットカードのリアルタイム決済を可能にするために大切な役割を果たしている処理センターはいくつもありますが、その中でも大手の一覧表は下記の通りです。

  1. 日本カードネットワーク
  2. ソニーペイメントサービス
  3. NTTデータ
  4. GMOペイメントゲートウェイ

アクワイアラとは

クレジットカードを利用できる店舗やWebサービスのことを、クレジットカードの「加盟店」と言いますが、アクワイアラはこれら加盟店と契約してサービスの提供や管理をする会社です。

私たちが加盟店でカードを利用して買い物をすると、イシュアが消費者の口座から代金の引き落としを行います。

イシュアによって引き落とされた代金は、イシュアからアクワイアラへと支払われ、最終的にはアクワイアラから加盟店へ支払われることになります。

このようにアクワイアラは、加盟店とイシュアとを結んでいます。

カード会員はアクワイアラとの直接の接点はあまりないため、その存在や役割を感じることはほぼないでしょう。

アクワイアラの役割

アクワイアラはその名の通り、加盟店を新規開拓して増やしていくことが主な業務です。

新たに開拓した加盟店に対して、クレジットカード決済ができるシステムの導入・教育をします。

そうして契約した加盟店から売上記録(データ)を取得し、加盟店に対して入金を行うのもアクワイアラの仕事です。

クレジットカード決済を導入する店舗にとって、アクワイアラが存在していることによって導入や精算がスムーズに行えると言えます。

アクワイアラを兼ねているイシュアがほとんど

日本の場合だと、クレジットカード会社がイシュアとアクワイアラの両方を兼ね、同じ会社で両方の業務を行っている場合がほとんどです。

たとえばJCBでは、自身が国際ブランドでもありながら、同時にイシュアとアクワイアラの業務も行っています。

加盟店とは

クレジットカード業界における加盟店とは、クレジットカード会社と契約をしている店舗等を指します。

カード会員は、そのカード会社の加盟店でクレジットカードを使うことが可能です。

よって、店舗等がクレジットカードを取扱うためには、クレジットカード会社との加盟店契約が必要となります。

加盟店の役割

加盟店は、カード会員が商品等の購入時に提示したクレジットカードの情報や購入した商品の値段などを、決済端末(※インターンっと通販等の場合は決済システム)を通して処理センターへ送信します。

カード会員の取引に対して、決済承認が可能かどうかの判断を受ける最前線の役割を果たしています。

無事決済が済めば、決済完了後のデータ控えを管理するのも加盟店の仕事です。

カード会員とは

クレジットカードを所有・利用する会員、つまり消費者である私たちのことです。

カード会員とは、イシュアが募集したクレジットカード会員の審査を受け、そのクレジットカードの利用を認められた人のことを指します。

カード会員になると加盟店でクレジットカードの利用が出来るため便利な反面、ルールの遵守を求められます。

規約違反の例として「名義人以外の利用」があります。クレジットカードには名義人が刻印されており、たとえ家族であったとしても、名義人以外がそのクレジットカードを使用することは規約違反です。

クレジットカード業界をめぐるお金の流れ

クレジットカードに関する全体の流れについては上で示した通りです。

それでは、国際ブランド・イシュア・アクワイアラ・加盟店などの各プレイヤーはどういったビジネスモデル・収益構造なのかを説明します。

国際ブランドの収益構造

Visaなどの国際ブランドは、クレジットカード会社(イシュア)からライセンス収入を受け取り、ライセンスを発行します。

次にクレジットカード取引がはじまると、決済料金による手数料ネットワーク手数料などの手数料を受け取っています。

これらが国際ブランドの収益です。

つまり、イシュア(カード会社)が増えて取引高が増えれば増えるほど、国際ブランドの収益が上がるというわけです。

イシュアの収益構造

クレジットカードを発行しているイシュアは、クレジットカードの取引ごとにアクワイアラからの手数料収入を得ます。

※この手数料をインターチェンジ・フィーともいいます。

それ以外にもクレジットカードカード会員からの「年会費」分割払い・リボ払い利用時の「金利手数料」などがイシュアの主な収益となります。

求められる役割・機能が多い分、イシュアはさまざまな収益の柱を持っています。

アクワイアラの収益構造

店舗などクレジットカード加盟店の管理を行っているアクワイアラは、加盟店でクレジットカードが使用される度に、加盟店から加盟店手数料を受け取ります。

※実際は、イシュアから入金された金額から加盟店手数料を差し引いた金額を加盟店に支払うことで、実質的に手数料を徴収して収益を成立させます。

アクワイアラはイシュアに対してインターチェンジ・フィーの支払いが必要なため、アクワイアラの実質的な収益は加盟店手数料からさらにインターチェンジ・フィーを差し引いた金額となります。

処理センターの収益構造

処理センターは、24時間365日利用されているクレジットカードシステムに関する業務を行っています。

ここで処理されるビックデータの送信先であるイシュアやアクワイアラからのデータ処理手数料が、処理センターの収益となっています。

加盟店の収益

加盟店は、アクワイアラに対して加盟店手数料を支払っており、収益を上げているようには見えません。

しかしながら、クレジットカードが利用できることにより、カード会員の訪問者・利用者が増えるため、1取引に対する利益は減っても取引数全体(=売上)が増える期待が大きくなります。

「キャッシュレス手段の提供によって上がる本業の売上」が、ある意味加盟店の追加収益というわけです。

直接的には利益があるわけではないですが、売上UPが見込める、ということです。

カード会員の収益

カード会員にとっては「カードや電子マネーが利用できる便利さ」や「カード会社から付与されるポイント・キャッシュバック」などが利益となります。

カード会社のポイントは現金のように使えるほか、航空会社のマイルをはじめ、さまざまなものと交換できます。

場合によっては、年会費や分割手数料などの金利手数料を払う必要があります。

もしも完全に無料でクレジットカードを利用したい場合には、年会費無料のクレジットカードを選んだり、支払い方法は1回払いのみにするなど工夫して利用しましょう。

クレジットカード会社の収益構造について

クレジットカード会社の収益構造は、ここ10年で大きく変化しています。

出典:クレジットカード業務による収入額の推移(経済産業省)

上図は少し古いデータですが、カード会社の収益構造と遷移がよくわかります。

2010年頃までは主に消費者金融業務(キャッシング)で儲けを出していました。

しかし、貸金業法改正などにより消費者金融業務で収益を上げることが難しくなり、2012年以降は加盟店手数料が主な収入源となっています。

加盟店手数料とは

加盟店手数料とは、カード利用者がお店でカードを使う度にお店がカード会社に支払う手数料のことです。

ちなみに手数料率は3%程度です。

たとえば10,000円の商品をカードで購入すると、お店はカード会社にその約3%、300円程度を支払うという流れになります。

ただし、この加盟店手数料はカード会社とお店側の交渉で割合が決まるため、業種や規模によってはもっと高い割合のこともあります。

この加盟店手数料がネックとなって、カード払いを導入していないお店が存在するというわけです。

しかし、この加盟店収入については、キャッシュレス・ポイント還元事業の政策の中で「上限を3.25%に定める」という政府からの圧力がかかっています。

参考:日本経済新聞|キャッシュレス手数料、開示義務(経済産業省)

そのため、今後数年でカード会社の主な収入源が加盟店収入ではなくなるなど、カード会社の収益構造になんらかの変化が起こる可能性が出てきています。

クレジットカード業者全体の収入高について

以下は帝国データバンクの「クレジットカード業者の経営実態調査」です。

出典:クレジットカード業者の経営実態調査(帝国データバンク)

この調査によると、2017年度におけるカード業者208社の収入高合計は2兆9,286億5,600万円で、前年度比+6.2%となりました。

なお、前年度比の増加傾向は5年連続で続いています。

2017年度の収入高同行をカード業者の年商規模別に見ても、年商規模の大きさに関わらず増収企業が減収企業を上回っていることがわかります。

出典:クレジットカード業者の経営実態調査(帝国データバンク)

この増加傾向の要因には、主に以下のようなものが挙げられています。

  • 既存顧客へのポイントサービス拡充
  • 新規入会キャンペーンの導入
  • ネットショッピング市場の拡大によるカード利用機会の増加
  • スマホ決済の浸透によるカードの利用機会の増加

「カード会社各社の企業努力」と「市場や決済環境の変化」がカード業界全体の増収につながっています。

まとめ

この記事では、クレジット業界の仕組み、クレジットカード業界ならではの「イシュア」や「アクワイアラ」などの果たす役割や収益構造について説明しました。

こういった各パートの役割を果たす人たちの働きにより、24時間365日、世界中どこからでもクレジットカードでの決済が可能になるわけです。

私たちが目にするのは加盟店の端末とクレジットカードそのものくらいですが、その裏ではさまざまな処理が瞬時に行われているわけです。


参考文献

2020年6月11日時点確認

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